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焼香、数珠の扱い方と宗派による違いを解説

4/17(水) 11:01配信

マイナビニュース

焼香、数珠の扱い方と宗派による違いを解説

社会人になったら、一人前の大人として冠婚葬祭のおつき合いをこなさなければなりません。中でも、お悔やみごとに関しては、知識がないと慌ててしまうものです。

【画像】焼香の作法をイラストで紹介

そこで、現代礼法研究所の代表でマナーデザイナーの岩下宣子さんに、意外と知らない焼香、数珠の作法を教わりました。

焼香とお辞儀の作法

――葬儀に関することは気が引けて人に聞きにくいものです。焼香も緊張して失敗も怖い…。

岩下さん「お悔やみごとに関するマナーは、社会人の常識です。とはいえ、焼香などは宗派によって本当に多種多様で戸惑うこともあるでしょう。ある外国人タレントが『勘違いして抹香を食べちゃった』なんて逸話があるほど。

それから、多くの人が、『抹香を指でつまみ、額のあたりまで押しいただいてから香炉にくべるもの』と思い込んでいるようですが、実は額まで持ち上げずくべるのが正当とする宗派もあるんですよ」。

基本的な考えとして、抹香は亡くなった方のもの。「故人とは香りを通して会話ができる」、「故人は身体がなくなっても、香りだけは楽しめる」などという教えがベースになっているそうです。だから、抹香を扱うとき「これは自分のお香ではなく、故人のために用意されたものだ」と知っておけば、失礼な扱いになることはないはずだと岩下さんは言います。

岩下さん「具体的な所作としては、抹香を押しいただいたら、高い位置から香炉に落とすのではなく、体を自然に曲げながらゆっくり手を香炉に伸ばし、火の周りにパラパラと落とすと丁寧に見えます。

それから、回数。『抹香をつまむ、くべる』を何度がやる宗派もありますが、私は1回でいいと思っています。宗派も作法もわからず迷うことがあっても1回です。

ある大学の先生が文献を調べたところ、『人が亡くなったときには一心不乱に祈る。その態度を表すということで焼香1回が正しい作法だ。2回めの焼香は生きている私たちがお願いごとや報告をするためのもので、3回めの焼香は懺悔の香である』とお釈迦様がおっしゃったことがわかったそうです」。

さらに、お辞儀。葬式の主役は故人なので、お焼香のときは、遺影に一番深いお辞儀をし、遺族にはそれより浅い角度のお辞儀でよいということ。

焼香の方法と流れ

(1)遺族や僧侶に一礼して祭壇に向かう。

(2)祭壇の1歩手前で遺影に深く一礼する。

(3)右手の親指と人差し指、中指で抹香をつまみ目の高さまで持ち上げる。

(4)抹香を香炉に落とす。

(5)左手に数珠をかけて合掌し、1歩下がって遺影に深いお辞儀をする。

(6)数歩下がって遺族と僧侶に一礼し、席に戻る。


※イラストはイメージです

数珠の必要性と扱い方

――やはり、数珠は持っておくべきなのでしょうか? 扱い方もわかりません。

岩下さん「数珠って、なんのためのものかわかりますか? 自分の身を守る護身のためのアイテムです。数珠とは、葬式だから持って行くものではなく、本来は肌身離さず身に着けるべきものです。だから、腕に数珠を着けている人がいますが、仏教徒ならあれは正しいのよ。有名占い師の細木数子さんは、いつも下着の中に数珠を入れているそうです。

私はいつも、『敬虔な仏教徒なら、40過ぎたら数珠ぐらい持ちなさい』と言っています。身に着けてもいいし、バッグの中に入れて持ち歩くのでもいいです。クリスチャンの人が十字架をいつも身に着けているのと同じです。玉が108個あるものが正式ですが、気に入ったものならなんでもいいです。ネットでも雑貨店でも、どこで買っても、どんな素材や色のものでもいいですが、決して粗末に扱わないように」。

数珠を持って焼香に臨むときは、だらんと下のほうで持たず、ちょっと持ち上げて腰あたりで持つのがよいみたいです。そして、合掌やお辞儀をするときは、利き手は抹香を扱うので、数珠は利き手でないほうにかけ、房が必ず下にくるようにするべきだそう。


取材協力:岩下宣子(いわした・のりこ)

『現代礼法研究所』主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事長。全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流の故・小笠原清信氏のもとでマナーを学び、企業や商工会議所などでマナー指導・講演などを行う。著書に『図解 マナー以前の社会人常識』(講談社)など。

木村悦子

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