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【世界から】ガザで起業するということ

4/17(水) 17:52配信

47NEWS

 紛争にあえぐ荒廃した危険な地―。パレスチナ自治区「ガザ」と聞いて、読者の多くがこんなイメージを思い浮かべるのではないだろうか。メディアで頻繁に登場するガザ地区といえば、相次ぐロケット弾の発射や空爆など、イスラエルとの終わりの見えない対立で苦しむ人々の姿や、国際援助団体が懸命に支援をする様子などがほとんどだ。しかし、「天井のない監獄」とも呼ばれるその地から、新たなイノベーションの息吹が生まれ始めていることはあまり知られていない。

  若者の大学進学率が高いガザやヨルダン川西岸地区で設立されたIT系などの企業が2015年時点で約140社と急増。優秀な起業家が続々と誕生しているのだ。

  中でも、若き起業家たちの期待の星となっているのが、マジド・マシュハラウィさん(25)。祖父母の代にパレスチナへの移住を余儀なくされ、「パレスチナ難民」としてガザで生まれ育ったマジドさんが開発したのは、この地区の未来を大きく変える可能性がある先駆的な製品だ。

 東京23区のおよそ6割に当たる土地に約200万人が暮らすガザは、イスラエルによる境界封鎖で、人や物資の移動が厳しく制限されている。大規模な戦闘が相次ぎ、多くの建物が破壊される被害に遭うなか、深刻化しているのは、再建に必要なセメントなどの資材不足だ。そんな中、マジドさんが着目したのは、ごみ同然の“焼却灰”だった。ガザでは、コンクリートが足りないだけでなく、その質は悪く高価。なぜなら、イスラエルが「軍事施設や地下トンネルの建設など攻撃用に転用される」としてコンクリートの材料となるセメントなどの搬入を制限しているからだ。

  一方、木材などの焼却灰は1年で6億トンも排出されているという。それは、石油を始めとする燃料の供給が不安定で価格も高騰しがちなため、身近にある木材などで火をおこすことが多いから。大学で土木工学を専攻したマジドさんは、この“逆境”に目を付け、インターネットを使って情報収集を重ね、大量に排出される灰から低コストの資材ブロックを生み出す技術の開発にこぎ着けた。

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最終更新:4/17(水) 18:10
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