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浜田知明さん回顧展が開幕 熊本県立美術館本館

4/17(水) 13:36配信

熊本日日新聞

 国際的な版画家・彫刻家で昨年7月に100歳で亡くなった、浜田知明さんの回顧展「忘れえぬかたち」が17日、熊本市中央区二の丸の県立美術館本館で開幕した。作品を主題や造形別に展示し、「反戦の画家」のイメージにとどまらない造形作家としての足跡をたどる。熊日など主催、5月26日まで。

 銅版画や彫刻、スケッチなど約230点を展示。顔や手足が変形した人体などを描いた銅版画「小さな怪物(別バージョン)」など未発表作3点も公開された。

 日中戦争での従軍体験を基にした代表作「初年兵哀歌」シリーズは、当初から名付けた作品と、後に組み込んだ作品に分けて紹介。後者は戦場を遠景で描くことで、戦争を普遍化して捉えようとする意図がうかがえる。

 人体をシャープな線で描いた銅版画は、制作過程で抱く不安や焦りといった心情を客観的かつシニカルに表現した。同じテーマの銅版画と彫刻を並べたほか、戦場スケッチは所属連隊の移動経路を示す地図と併せて解説した。

 開幕式典では、浜田さんの長女宏子さん(74)が「未発表作は悩んだ末、貴重な参考資料と思い公開した。父も大目に見てくれると思う」とあいさつ。訪れた洋画家の春口光義さん(85)=同市=は「対象物の分析力がすごく、早くからアイデンティティーを確立した人だったと改めて感じた」と話していた。(魚住有佳)

最終更新:4/17(水) 20:56
熊本日日新聞

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