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【福島県内聖火リレー】いかに被災地回すのか(4月17日)

4/17(水) 9:14配信

福島民報

 二〇二〇年東京五輪聖火リレーのスタート会場がJヴィレッジ(楢葉・広野町)に決まったが、その後、聖火が県内をどのように巡るかは明らかになっていない。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の最大の被災地である浜通りのうち、相馬郡と双葉郡北部がすっぽりと抜け落ちてしまうのではないか。地元関係者からは懸念の声が聞こえてくる。

 聖火は二〇二〇年三月十二日にギリシャで採火され、二十日に宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地に到着する。二十六日にJヴィレッジをスタートし、百二十一日間をかけて全国四十七都道府県を巡る。ルート案によると県内を回った聖火は栃木県から南下し、沖縄県で折り返して北上する。北海道から岩手、宮城両県を巡った後、静岡県に飛んで東京に向かう。都道府県の詳細ルートについては既に都道府県が組織委にルート案を提出しており、組織委は調整の上で今年夏に発表する予定だ。

 浜通りは福島第一原発周辺の帰還困難区域で南北に分断される形になっており、聖火の浜通り北上は容易でない。Jヴィレッジから南下するか、西に向かって中通りや会津に入るルートになった場合、再び浜通りに聖火を戻すルート設定は可能なのだろうか。聖火リレーに先立ち、岩手、宮城を含む被災三県を聖火が巡る「復興の火」の展示でカバーする方法もあるが、県内会場は福島、いわきの両市だけで浜通り北部は含まれなかった。こうした状況を考えれば、地元の懸念はもっともだと言えよう。

 福島第一原発が立地し、全町避難が続いていた大熊町で十日、一部地域の避難指示が解除された。同じく立地町で全町避難中の双葉町は今年度末に一部地域の避難指示解除を目指している。JR常磐線も年度末までに全線開通予定で、復旧・復興が最も遅れていた双葉郡北部は来春にかけて大きな節目を迎える。

 双葉、浪江両町にまたがる地域では復興祈念公園やアーカイブ施設の整備が始まっており、聖火リレーは国内外に被災地の「今」を伝える絶好の機会になる。逆に浜通り北部がすっぽり抜け落ちるようだと、いらぬ風評を招くことにもなりかねない。

 リレーにJR常磐線を利用する。宮城県から再度、福島県に入り、浜通り北部を回る。リレーに合わせて別途セレモニーを実施する…。とにかく浜通り全域の様子が世界に発信できるよう組織委員会と県の実行委員会は知恵を絞るべきだ。 (早川正也)

最終更新:4/17(水) 9:14
福島民報

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