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羽多野 渉ライブツアー “Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-”大宮公演レポート!

4/17(水) 7:03配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

昨年12月にリリースされた羽多野 渉4年ぶりの2ndアルバム『Futuristic』。彼がキャラソンなどで出会ってきたクリエイターとタッグを組んで、1曲1曲ていねいに作り上げたアルバムである。そんな作品を引っさげ開催された、1年ぶりのライブツアー。その初日の昼公演。大宮ソニックシティでのライブの模様をここにレポートする。

生憎の雨模様となった3月3日、桃の節句。大宮ソニックシティでは羽多野 渉のアルバム『Futuristic』を引っさげてのライブツアー“Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-”が開催された。未来を感じさせる楽曲を集めた、コンセプチュアルな一枚としても評価の高い本作を、彼はライブでどのように表現するのだろうか、と会場を占めていたのは高まる一方の期待感だった。そんな会場の照明が落ち、流れていた軽快なオールディーズソングが止まる。ステージ後方のスクリーンに映し出されたのは寄せては返す波を思わせる水面。アンビエントな音が静かに響きだすと、フロアを青い光が埋め尽くす。神秘的な光景。そこにデジタルビートと美しいピアノの旋律の「~prologue~」が流れ出す。いよいよライブのはじまりが告げられるような、アッパーなダンスチューンが響き、ステージに主役である羽多野 渉が姿を現した。

ドーンという音とともにスモークが立ちこめ、fu_mouによる近未来感あるエレクトリックチューン「Truth For」でライブの始まりを歌い上げる。ダンサーも登場し、まばゆいばかりのレーザービームが飛び交う中でデジタルビ-トの勢いそのままに歌う羽多野のボーカルとあわせて、会場はダンスホールへとその姿を一変させた。そんな1曲に続いたのはどこか気骨を感じさせる哀愁滲むロックナンバー「realize」だ。飯田高広による1曲は、未来へと踏み出す力強さや人間味を宿すナンバーを、ソウルフルに、一つひとつの言葉に想いを込めていくように歌を紡いでいく羽多野の声を、オーディエンスはサイリウムを振りながら受け止めていく。

そんなロックナンバーの音が止むと、会場に吹き抜けるように風の音が。その音がトリガーとなって瞬時にフロアのサイリウムの光が赤へと変わる。TVアニメ『Dance With Devils』のテーマ曲としてもファンに愛される「覚醒のAir」だ。スリリングなイントロから大歓声に迎えられたハードでヘヴィ、そしてラウドなエレクトロ・ロックの熱が空間を席捲していく。ダンサーのダイナミックなダンスパフォーマンスも視線を釘づけにする熱いサウンドに会場のテンションもヒートアップ。羽多野の表情までも『ダンデビ』の世界を感じさせ、回し蹴りのパフォーマンスには割れんばかりの歓声が沸く。まるで四皇学園のホールにでもなったような熱に満ちていた。

「まずはお礼を言わせていただきたい。皆さんの応援のおかげで今年もライブツアーができました!ありがとう!!」と笑みと共に大きく感謝を告げると、オーディエンスも応える。
「4年ぶりの2ndアルバム『Futuristic』を聴いてくれた?」と訊ねれば、会場からは大きな声で「聴いた」という返事が。その声に満足気に頷く羽多野。そんなMCに続いてピアノの軽快な音で綴るイントロが響きだすと、またしても観客は悲鳴にも近い歓声をあげる。今度は劇場版『Dance With Devils-Fortuna-』の主題歌となった「KING & QUEEN」だ。

「本日、3月3日は立華リンドの誕生日――――!」という羽多野の声に重なる歓迎の声。軽快なビートとゴージャスなホーンの音色でダンサブルでハッピーな1曲。心が躍り出すコール&レスポンスもあるこの曲でステージとフロアが一体となる。さらに「皆さんの近くに行きますよー!」と高らかに宣言した羽多野はサプライズ演出としてフロアへと降りて、観客の目の前でその軽やかな歌声を届けた。続いたのはラジオ「ハマトラジオ from カフェノーウェア」のテーマソングに起用されたアシッドジャズの「Mach1.67」。スィングするサウンドで軽やかに踊り、音の波に揺れるナンバーに観客も横に揺れながら音の躍動を楽しんでいた。楽曲ごとに世界がガラリと変わり、ジャンルレスに音楽を楽しませるライブに鼓動が逸ってしまう。

「今日3月3日はわたしが演じさせていただいた立華リンドの誕生日ということで、リンドも喜んでいると思います。そして『Mach1.67』。去年は弾き語りで歌わせていただいて、今回はライブのテーマが“未来”ということで、未来型の『Mach1.67』をやってみたいということで、ダンサーさんに新しい振りを考えていただきました。ドキドキしながらやりましたが、楽しんでいただけたでしょうか。未来のために自分の過去も大事にしていくのがコンセプトのひとつなので、また生まれ変わった楽曲を新鮮な気持ちで歌わせていただいております。喜んでいただけたらうれしいです」

そして話題は羽多野の音楽活動について。そもそもソロデビューをする前に音楽の楽しさを教えてくれたという、ラジオ番組で結成したCELL DIVISIONの話へ。そのユニットの曲「SWEET DEPRESSION」をここで披露する、という羽多野に「キャー!」と声があがる。バラードであるこの曲を、会場でオーディエンスは着席してじっくりと聴き入る。珠玉のバラードが響いた時間はこの日のライブのテーマである「過去を大事に」の象徴的なシーンとなった。

歌いながら懐かしさで胸がいっぱいになったと羽多野が言うバラードに続いたのはアルバム『Futuristic』に収録されたクラムボンのミトによる1曲「I Give U My…」。クラップと共に緩く跳ねるメロディに心が温められる優しいナンバーに、オーディエンスも羽多野も笑顔になる。陽光のような穏やかな光にも似たサウンドが会場を包み込むと、ステージのスクリーンには黒猫が登場し、歌う羽多野に寄り添う姿がハートフルだった。そんなナンバーの後には同じくアルバム収録の、佐藤陽介による一曲「記憶の底の未来の君へ」。疾走するビートでシンプルなロックンロールが紡がれると、まるでステージにバンドがいるかのような躍動感が全身に打ち付ける。伸びやかな羽多野のボーカルが心地いい。

ダンサーソロを挟んで、ダンサーの輪に加わった羽多野もダンスソロで見事なパフォーマンスを見せたあとは、彼のテーマソングの「I’m a Voice Actor」。8bit的なチップチューンでファニーに楽しく展開していくこの曲では様々な声色を使っての羽多野ならではの台詞も魅力だ。ヒャダインが手がけたポップソングで羽多野 渉だからこそのらしさある楽曲を存分に歌い上げた。

楽しい時間はあっという間だ、と羽多野。ライブは残り2曲であることを告げると、スマッシュヒットチューンであるTVアニメ『ユーリ!!! on ICE』のエンディング曲「You Only Live Once」へ。アンビエントなエレクトロチューンの爽やかなトラックに軽やかにボーカルを乗せていく羽多野。クルクルとフロアのサイリウムの光も楽し気に揺れる。そしてラストは、彦田元気による「CAPSULE HEART」だ。流星のような煌めきあるトラックに、レゲエ的なビートも散りばめた最新鋭のエレクトロニカチューンで、羽多野の“未来サウンド”によるライブを締めくくった。

アンコールは彼のライブでは恒例というアコースティックギターによる弾き語りを「Never be too late」で聴かせた。さらに「ハートシグナル」、そしてツアー前に動画を配信して振り付けをレクチャーしていた「Sing and Dance!」でも会場を沸かせると、ライブの最後の最後を飾ることを定番としてきた彼のデビュー曲「はじまりの日に」を会場に集まったファンと共に声を合わせて歌い、彼の過去、そして未来を感じさせたライブは幕を閉じた。

春らしく爽やかで優しいライブで過ごした時間はとても羽多野らしい暖かな時間だった。

Text By えびさわなち

“Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-”
3月3日(日)大宮ソニックシティ 昼公演
<セットリスト>
M1.Truth For
M2.realize
M3.覚醒のAir
M4.KING & QUEEN
M5.Mach1.67
M6.SWEET DEPRESSION
M7.I Give U My…
M8.記憶の底の未来の君へ
M9.I’m a Voice Actor
M10.You Only Live Once
M11.CAPSULE HEART
EN1.Never be too late
EN2.ハートシグナル
EN3.Sing and Dance!
EN4.はじまりの日に

関連リンク
羽多野 渉オフィシャルサイト

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