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平成の音楽セールスは「売り上げ枚数」から「再生回数」の時代へ

4/17(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【数字で読み解く芸能界】

 先週、オリコンが音楽の“平成セールス”ランキングを発表した。シングル、アルバムとは別にアーティスト別トータルランキング(すべてのシングルとアルバムの合計)が面白い。

■B’zは8262.4万枚

 1位はB’zで累積売り上げ枚数が8262.4万枚! 2位のAKB48に2000万枚以上の差をつけてブッチギリだ。平成の30年で割ると1年平均約275万枚。トップ10を見ると、アイドルグループはAKB48と7位嵐のみ、演歌はなし、ほかはすべてバンドなどアーティスト系。テレビにあまり露出しないのが共通点だ。

 10位宇多田ヒカルは最初からほぼテレビに出ないし、9位サザンオールスターズのように年に1回くらい出る時は特集番組など“スペシャル感”を持って登場する。ミスチル(3位)やドリカム(5位)やGLAY(6位)もその傾向だ。

 8位のZARDにいたっては存在そのものがシークレットな印象だったから、「本当に3763万枚も売れたのか」と思ってしまう。トップ10に入らなかったがアルバムで10位の倉木麻衣もデビュー当時は露出しない戦略だった。

■米津玄師は3億再生超え

 メディアに出ない“アーティスト”が平成の音楽界を支えた。令和ではその傾向が強まり、時代はダウンロードなどストリーミング(配信)が主流で、CDというモノは邪魔者扱い。若者はユーチューブで歌を聴く。

 国内でもっとも再生回数の多い曲が米津玄師の「Lemon」で3億を超えている。しかし、米津という歌手を昨年末の「紅白歌合戦」で初めて知った人は多いし、いまだ知らない方も少なくないだろう(B’zだってウルトラソウル! と叫ぶ歌しか知らない中年が多数だ)。

 平成の途中から歌や歌手が売れて国民全体に浸透する時代は終わり、イヤホンで静かに“動画を聴く”傾向はさらに強まる。

(作家・松野大介)

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