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Wi-Fi要らずのネットワークカメラ「スマカメ2 LTE」を衝動買い

4/17(水) 12:00配信

アスキー

ネットワークカメラといえばWi-Fi環境やAC電源を要する機器が多いが、本体内にSIMスロットがあり、4G(LTE)の格安SIMを使って映像発信できる「スマカメ2 LTE」を衝動買いした。

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Wi-Fi接続要らずのネットワークカメラ
「スマカメ2 LTE」を衝動買い
 先進企業のごく一部でモバイルワーキングがスタートし始めたころ、昔勤めていた某社で、Wi-Fi無線機能を標準搭載した小型軽量で先鋭的なモバイルPCを発売することが決まった。しかし、時はやっと全米のスターバックス社でWi-Fi無線のホットスポット化が実現したころだった。
 
 先鋭的戦略商品でも「使えるのはきっと自分たちのオフィスか自宅しか無いだろう」というのが心配の種だった。しかし、機能的に超魅力的な計画中のモバイルPCを当初から買うつもりでいた筆者は、まず自分たちだけでも使えるホットスポットを、よく行く秋葉原のどこかに作ろうと職場の同僚と計画した。
 
 そして、地下にある秋葉原の某カレー屋さんにターゲットを絞り、店長を口説き落として、Wi-Fi無線もACコンセントの使用も無料サービスできる最初のホットスポットとしてオープンすることに成功した。そして、あまり会社に顔を出すこともなく楽しく過ごすことができた。
 
 有線ネットワークのイーサネットを拡張していったWi-Fi無線は、その後登場したさまざまな新しい製品との相性確保もなかなか大変だった。Wi-Fi無線と並行して伸びていったパソコン世代のインターネットカメラもそのひとつだ。
 
 パソコン世代のクラシカルなインターネットカメラの稼働までの設定は、想像を絶するぐらい大変だった。“NAT越え”“ポートフォワーディング”“ダイナミックDNS”など、もう今では記憶の片隅からも消えてしまっている難しい語彙の理解と設定作業が必要だった。
 
 当時からミーハーだった筆者は、家にいる先代のワンコの様子を出張先ホテルのパソコンから見たいというだけの理由で多くの人の支援を受け、3日間もかけてやっと実現できた。そんな大変だったインターネットカメラも、SkypeのようなP2P技術の採用で、スマホだけで誰でも簡単に設定できる段階まで成長した。
 
 そんな時代に、より簡単なコミュニケーション機能の確立のために、本体内にSIMスロットを持ち、4G(LTE)の格安SIMを使って映像を発信できるプラネックスのネットワークカメラ「スマカメ2 LTE」が登場した。本体にWi-Fi機能は搭載されていない。その代わり、企業内利用などを前提としたPoEにも対応したモデルだ。
 
LTE SIMを本体に内蔵できる「スマカメ2 LTE」
組み立て作業はアンテナとスタンドの取り付けのみ
 画像は高圧縮のH.265に対応し、動画は本体内のmicroSDカードに記録できる。月明り程度の明るさでもカラー映像を再現。屋外に設置可能なIP65防塵・防滴性で動体検知センサーも搭載。そして、スマホから遠隔地に設置したカメラへの音声発話も可能だ。そんなハイレベルのP2Pスマカメが、ついにLTEに対応した。
 
 パッケージの収納物は「スマカメ2 LTE」本体(PoE LANコネクタ付き)と専用アンテナ。USB ACアダプター、USB給電ケーブル、取り付けスタンドとネジ、LANコネクターキャップ、取説、スマカメステッカー、IFTTTサービス案内用紙となる。
 
 スマカメ2 LTEは付属の専用スタンド以外だけでなく、一般的なカメラ三脚にも取り付け可能だ。有線LANで接続の場合にルーターがPoE機能を提供していない場合は、プラネックスが発売している「PoEインジェクター」を使用することで、イーサネットケーブルで電源供給も可能になる。
 
 スマカメ2 LTEの物理的な組み立て作業はほんの少しだけ。まずは、本体カメラに外部アンテナを取り付ける。続いて、本体を専用スタンドに取り付ければ設定作業はほぼ終了だ。付属の専用USB ACアダプターで給電する場合は、使わないLANコネクターの接続部を付属のキャップで塞いでおくほうが良いだろう。
 
LTE SIMカードとmicroSDカードを挿入
初期設定はスマホアプリ経由で行う
 続いて、SIMカードの挿入と必要に応じて撮影動画記録用のmicroSDカードを挿入する。使用するSIMカードはmicroサイズだ。筆者は自己責任でIIJmioのnanoSIMカードをSIMアダプターに入れて使用しているが、内部でSIMカードの脱落などが起こる可能性もあるので、あくまで個人の責任で行うことが前提だ。
 
 SIMカードやmicroSDカードの装着が終わると、本体にUSB ACアダプターのケーブルを接続して電源供給を行う。1分少々で青いLEDランプが遅く点滅すれば起動完了だ。
 
 さて、スマホやタブレットも同様だが、SIMカードを挿入すると絶対に最初に行なわなければならない設定操作は、APN(Access Point Network)の設定だ。スマカメ2 LTEはスマホではないので、キーボードもタッチスクリーンもない。なので、APNの設定はカメラ単体の機能でも実現できるように工夫されている。
 
 スマカメ2 LTEの基本動作は、従来のWi-Fi対応のP2Pスマカメと同じだ。カメラの映像はスマホでダウンロード導入した「スマカメ」や「スマカメ2」アプリで見る。スマカメを初めて利用するユーザーなら、Gogle PlayやApp Storeから使用機種に応じた任意のアプリをダウンロードして起動する。
 
 スマカメ2 LTEの設定作業は、アプリ内の「カメラの追加」を選択後、「LTE設定用QRコード表示」というメニューを選択する。Androidユーザーなら見慣れたAPNの設定入力画面が表示される。しかし、スマカメ2 LTEも一般的なスマホと同様に「プリセット情報呼出」をタップすることで、先にアプリに登録されているメジャーなMVNOを選択し、タップするだけで設定は完了だ。
 
 今回筆者の使用したMVNOはIIJmio(タイプD)なので、その項目をタップして選択する。これですぐにスマホの画面に設定用のAPN情報をQRコード化した画面が表示される。続いて、スマカメ2 LTEのSIMカードスロットの下に配置されているRESETボタンを3秒間押し、10cmほどの距離でQRコードをスマカメ2 LTEにかざす。QRコードが認識されると「ピィ~」という長い発信音が鳴り、あっという間にAPNの設定は終了だ。
 
 続いて、最後の作業である“スマカメ2 LTEの個体認証番号とスマホを紐づけする作業”に進む。APN設定と同様に、スマカメ2 LTEの背面にあるQRコード(UID)をスマホで読み取り、初期設定値であるPasswordをアプリ画面から入力すれば設定はすべて終了だ。パスワードはできる限り早いうちに、自分だけのユニークなものに変更しておこう。
 
 設定作業がすべて終了すると、すぐにスマホ上のスマカメアプリに現在スマカメ2 LTEが捉えている映像が表示される。同じ操作性の無料Windowsアプリも公開提供されているので、パソコンでもスマカメ2 LTEの映像を見ることが可能だ。
 
USBバッテリーでどれだけ駆動するかを
2つのモバイルバッテリーでテスト
 パスワードの再設定やビデオのクオリティー設定、動体検知の通知設定やセンサー感度の設定、それらをトリガーにしたSDカードへの動画自動録画のオン/オフ、スマカメ2 LTE表面の動作確認用LEDのオン/オフなどは、スマカメアプリの“詳細設定”でいつでも設定、変更できる。
 
 スマカメ2 LTEが稼働後、すぐに自宅のリビングの壁際に置いて部屋を撮影してみた。スマホ側で画面をピンチアウトしてみたが、拡大画面のクオリティーもなかなか満足の行く結果だった。
 
 さて、筆者がスマカメのWi-Fiモデルではなく、どうしてもLTEモデルが欲しかった最大の理由は、Wi-Fi環境のまったくない屋外にスマカメ2 LTEを持ち出して活用したかったからだ。ただし、LTEは一般的にはバッテリー消費の多いハードウェアだけに、スマカメ2 LTEがPoEやACアダプターではなく、USBモバイルバッテリーだけでどのくらい動作するのか不安だった。
 
 今回筆者は、室内でもACアダプターを一切使わず、AnkerのUSBモバイルバッテリー(5000mAh)と、「ThinkPad」も充電できるLenovoのUSBモバイルバッテリー(14000mAh)の2つを使って、スマカメ2 LTEの連続稼働時間をテストしてみた。
 
 最初は、AnkerのUSBモバイルバッテリーで給電しているスマカメ2 LTEをリビングの床置きで放置。自宅内や出先からスマカメアプリを導入した筆者のスマホ「HUAWEI Mate 20 Pro」を使って見てみた。1時間に2~3回、20秒ほど我が家のワンコの様子を確認、途中から動体検知を遠隔から設定、内蔵のmicroSDカードに動画撮影も行ってみた。
 
 そういう状況で、AnkerのUSBモバイルバッテリーの全容量(5000mAh)を全部使い果たすまでにかかった時間は約5時間。SD録画などをしなかった場合は7時間近くスマカメ2 LTEは稼働した。
 
 一方、14000mAhと中容量のLenovoのUSBモバイルバッテリーの場合は、ほぼ同じコンディションで計測して15時間~18時間の稼働実績だった。これらの結果から、売れ筋で安価で市場在庫の多い10000mAhクラスのUSBモバイルバッテリーなら、「Wi-Fiなし」「AC電源なし」という二重苦の環境でも10時間近くは使えそうだ。これは、従来のWi-FiもAC電源も絶対に必要なP2Pカメラと比較すると革新的な進化だろう。
 
屋外利用でのモバイル撮影もテスト
すべての呪縛から解放された動作に感動
 さっそく、スマカメ2 LTEとAnkerのUSBモバイルバッテリーを屋外に持ち出してテストしてみた。エリア制限のあるWi-Fiとは異なり、自宅内でスマカメ2 LTEとUSBモバイルバッテリーをケーブル結線したまま屋外の目的地まで持って移動しても問題はないが、今回は目的地に到着してからスマカ2 LTEとUSBモバイルバッテリーを接続し、1分ほど起動を待ってスマホでアクセスしてみた。
 
 そこには感動的に綺麗な画像が表示されていた。従来のP2Pカメラは、Wi-Fi無線とはいえ設定に多少難アリ、運の良さ悪さもアリ、Wi-Fiルーターからの距離制限アリ、ACアダプターの紐付き動作のみと、数多くの制限があった。
 
 スマカメ2 LTEはこれらすべての呪縛から解放された、画期的に「自由なスマカメ」だ。災害対策自宅用として手に入れた40800mAhのバッテリーを使用すれば、計算上は3日近くもスマカメ2 LTEを屋外のWi-FiもAC電源もないところで連続使用できる計算になる。
 
 もちろん、スマカメ2 LTEは、Wi-FiもACもない場所での使用だけが目的とは限らない。電源はあるが、Wi-Fiがない場所も極めて多い。また、Wi-Fi電波が交錯して今ひとつ無線が信用できない場所も多い。今後、限りなく100%に近い接続性を発揮できるスマカメ2 LTEの出番は、限りなく多くなっていきそうだ。
 
今回の衝動買い
 
アイテム:プラネックス「スマカメ2 LTE」
・購入:Murauchi.com
・価格:3万1814円(税込)
 
T教授
 
 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
 
文● T教授、撮影●T教授、編集●南田/ASCII編集部

最終更新:4/17(水) 12:00
アスキー

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