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社説:熊本地震3年 被災者の孤立防がねば

4/17(水) 12:14配信

京都新聞

 史上初めて震度7を2度観測した熊本地震から3年がたった。
 仮設住宅などの仮住まいで暮らす人はピーク時から6割以上減ったものの、いまなお約1万6千人以上いる。
 住まい確保の取り組みを急がねばならない。
 地震では、2016年4月14日夜の前震と16日未明の本震で計50人が建物の下敷きになるなどして死亡した。
 避難生活などに伴う「震災関連死」は熊本県215人、大分県3人で、地震の犠牲者は16年6月の豪雨被害で亡くなった5人と合わせ273人となった。
 住宅は20万棟以上が損壊し、仮住まいは行政が民間賃貸住宅を借り上げて家賃を払う「みなし仮設」が約7割を占める。
 原則2年の入居期限は、条件を満たせば最長4年まで延長されたが、区画整理事業などで退去が遅れる世帯が出るとみられ、事情に応じて期限を柔軟にとらえることも必要だ。
 避難生活の長期化は被災者にさまざまな悪影響を及ぼしている。
 熊本学園大の研究調査では、被害の大きかった熊本県益城町では町外のみなし仮設に入居した人が75%に上り、3割以上の世帯で生活状態や健康状態が悪化した。
 生活面では収入減や遠くなった学校への送迎、健康面では不眠などを理由に挙げ、町外に移った住民の多くが周囲や以前の知り合いとの交流が難しい状態という。東日本大震災などと共通する問題である。
 退去が進んだプレハブ型仮設住宅も含め、誰にもみとられずに亡くなる仮住まいでの「孤独死」は28人に上る。うち22人はみなし仮説で暮らす人たちだ。
 こうした孤立や孤独死を防ぐため、熊本県内の市町村は「地域支え合いセンター」を設け、生活支援相談員が戸別訪問するなど見守り活動を続けている。
 ただ、要員は十分ではなく、仮設住宅を退去して民間賃貸住宅に住む人や、元の地域を離れた人たちへの見守り支援は手薄になりがちだ。
 退去後の住まいを確保するめどがたたない人や自宅再建のローンを組むのが困難な人たちも含め、被災者を孤立させない支援のあり方を継続して問い直していくことが必要だ。
 こうした課題への対応は、南海トラフ巨大地震が起きれば甚大な被害が予想される京都、滋賀でも問われることになる。
 熊本地震の経験から「支え合い」のかたちを探りたい。

最終更新:4/17(水) 12:14
京都新聞

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