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コラム凡語:言の葉をまとって

4/17(水) 16:10配信

京都新聞

 見たもの、聞いたこと、感じたことを率直に言葉にする。何気なくしてきたことが、年を重ねるごと難しくなるように感じられる▼子どもたちの俳句を読むと、真っすぐな言葉の世界の豊かさに驚かされる。佛教大が主催する小学生俳句大賞がこのほど発表された▼低学年の部の最優秀作品は<とり合いだバケツにはった丸ごおり>。冷え込んだ冬の朝、きらめく一枚に歓声がわく。高学年の部は<じてんしゃでいなごをふまずこいでいく>。初秋の風を感じながら、走り抜ける姿が目に浮かぶ▼575のわずか17文字で、鮮やかな景色が立ち上がる。季語や切れ字など、決まり事に身構えがちな大人と違い、実に伸びやかだ。12回を数える今年は、3万2678句が寄せられた▼本紙日曜版の「ねんてん先生の575」も、夏には500回を迎える。<だんごむしいっしょにあそぼはるだもん>は今春、小学校に入学した植みこさんの作品。保育園児の時から祖母が書き留め、折々に投句する。幼い子の言葉の世界を広げるには、周りの大人のサポートも欠かせない▼人は一生に使う言葉の大半を小学生時代に身につけるという。その言葉によって、勇気づけられたり、支えられたりもする。新緑の季節、たっぷりと言の葉をまとった、太い幹が育つことを願う。

最終更新:4/17(水) 16:10
京都新聞

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