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春の珍事? マリナーズの快進撃はイチロー「遺産」のおかげ

4/17(水) 11:05配信

東スポWeb

【広瀬真徳 球界こぼれ話】「春の珍事」か「レジェンド効果」か――。ア・リーグ西地区に所属するマリナーズが開幕から予想外の奮闘を見せている。

 日本時間15日現在、チームは13勝5敗でリーグトップ。地区優勝を果たした2001年の年間116勝(46敗、勝率7割1分6厘)を上回るペースで白星を積み重ねているのだ。

 今シーズン開幕前、マリナーズの下馬評は散々だった。昨オフから球団が若返りに向け方針転換。チームの顔だったカノを筆頭に、エース左腕で2年連続2桁勝利のパクストン、昨季57セーブをマークした守護神ディアス、正捕手ズニーノら大物選手を次々に放出した。代わりに菊池雄星(27=元西武)や若手有望株を獲得したものの、戦力は一気に弱体化。このチーム状況に地元紙も「マリナーズには暗黒時代が差し迫っている」と開幕前から今季の惨敗を予想していた。

 ところがシーズンが始まると予想を覆す快進撃。3月に行われた日本開幕戦(対アスレチックス)に連勝すると、その勢いのまま4月中旬まで躍進を続けている。

 この要因に投打のかみ合いや若手選手の覚醒などが挙げられているが、メジャー関係者の間では「開幕直後に引退したイチローの功績もあるのでは」とささやかれている。

 在米記者の一人がその内幕をこう話してくれた。

「実はマリナーズは昨季中盤から選手同士が衝突するなど、チームの雰囲気が良くなかった。そんなチーム状況の中でも常に黙々とトレーニングをこなしていたのがイチローだった。当時、彼はすでに選手ではなく球団会長付特別補佐。チームに帯同はできても試合には出場できなかった。にもかかわらず、体づくりやトレーニングを一切怠らないイチローの姿を見ているうちに若手選手たちは『試合に出ないのにあれだけ練習している。俺たちは何をやっているのか』と気持ちを改め始めた。以来、多くの若手選手の野球への取り組み方が変わったことが今の結果につながっているはず。そう考えれば、今の好調はイチ
ローのおかげかもしれない」

 シーズンは始まったばかり。現段階でマリナーズがこのまま好調を持続できる保証はない。それでもイチローが背中で見せた野球への姿勢を含めた「遺産」が若手に受け継がれているのであれば期待は膨らむ。

 ライバルチームに比べ戦力不足は否めないが、何かやりそうな今年のマリナーズ。イチローが加入した01年以来、チームにとって18年ぶりの美酒は夢ではないかもしれない。

 ☆ひろせ・まさのり 1973年愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心に、ゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。

最終更新:4/17(水) 11:05
東スポWeb

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