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韓経:【コラム】南北の寿命格差

4/17(水) 10:06配信

中央日報日本語版

自然法則が作用する科学実験と違い社会は実験が不可能だ。実験対象になる人たちは常に行動を変えるためだ。しかし世界の学者が注目する社会実験対象がある。同じ遺伝子、言語、文化を持つ南北の分断74年が作り出した格差だ。

市場経済と社会主義経済が作った南北格差は23倍に広がった1人当たり国民所得が雄弁に物語る。米MITのダロン・アシモグル教授が『国家はなぜ衰退するのか』で指摘したように、包容的制度を持つ韓国が「経済奇跡」を成し遂げる時、搾取的制度の北朝鮮は「経済災難」に帰結された。

しかしさらに深刻な格差を保健・医療分野で見ることができる。最近国連人口基金(UNFPA)が発表した「2019世界人口現況報告書」によると南北の期待寿命格差は1969年に韓国60歳、北朝鮮59歳の1年だったのが50年で韓国83歳、北朝鮮72歳と11年に広がった。25年間に韓国が10年伸びる間に北朝鮮は4年伸びるのにとどまった。

北朝鮮の乳児死亡率は1000人当たり22人で韓国の3人の7倍だ。これは公式統計であるだけで実際には100人を超えるだろうという脱北者の証言もある。出生児10万人当たり妊婦死亡率は韓国が11人なのに対し北朝鮮は82人だ。子どもの貧血が25%で感染病死亡率は3.5倍、結核有病率は5倍だ。青少年の寄生虫感染率も35.5%で韓国の約12倍だ。

目に見える身長も同様だ。英インペリアルカレッジの研究チームによると韓国の20代の平均身長は男性が174.9センチメートル、女性が162.3センチメートルとともにアジアで最長身に入る。100年間に男性は15.1センチメートル、女性は20.1センチメートル急成長し、成長幅で女性が世界1位、男性は3位だ。解放前には韓国より高かった北朝鮮は男女とも3センチメートルほど低い。

幼児・青少年は格差がさらに明確だ。脱北青少年は韓国の同年代より4~6センチメートル小さい。7歳男児で南北が12センチメートルの格差がある。120万人の軍隊を維持する北朝鮮は数年前徴兵下限身長を150センチメートルから142センチメートルに下げた。銃を肩に担げば引きずられるほどという話だ。

1970年代だけでも北朝鮮はこうではなかった。1999年に刊行された米CIAの「北朝鮮報告書」によると、北朝鮮は1960年代初めに国家予防接種システムを作り、住民がノイローゼになるほど衛生検査も徹底した。しかし1990年代の「苦難の行軍」以降は配給、衛生、医療システムが崩壊し、慢性栄養失調、身長・体重減少、疾病・感染増加と寿命停滞が続いている。

1990年代初めのドイツ統一当時、東ドイツは西ドイツより寿命が男性で3.2年、女性で2.3年短かった。これを克服するのに20年かかった。南北の寿命、健康、医療の格差を狭めるにはどれだけ長い歳月がかかるだろうか。

オ・ヒョンギュ/論説委員

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

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