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ラフに使える“超小型旅カメラ”!? 4K+手ブレ補正で進化 ソニー「RX0 II」

4/17(水) 8:00配信

Impress Watch

■あのRX0が帰ってきた

2012年から続くRXシリーズだが、2017年10月に発売された「RX0」はなかなかの謎カメラだった。1インチセンサーを採用した超小型モデルで、単焦点レンズ。防水性能IPX8相当というタフネス仕様ながら、“アクションカムではない”というスペックは、当時としてはユニーク過ぎて評価が難しいところであった。

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そんなRX0の後継機が、今回取り上げる「RX0 II」(DSC-RX0M2) だ。1インチセンサー搭載の超小型モデルというところは変わらないが、初代から1年半で色々事情も変わってきた。時代に合わせて進化させてきたのが本機ということだろう。4月12日から発売されており、価格はオープンプライス、実売は85,000円前後だ。

一部にコアなファンを持つRX0の新モデルを、早速テストしてみよう。

■見た目はかなり近い

まずはボディだが、RX0のコンセプトはそのままの、箱型タイプ。ただし今回は液晶がチルトするようになっており、そのためボディの奥行きがちょうどチルト液晶分だけ長くなっている。両者を比較すれば一目瞭然だが、前モデルが手元になければ違いに気付かない。デザインテイストがまったく同じなので、大きくなった印象は薄い。

タフネス仕様も健在で、水深10mの防水性能、2mの落下耐性、200kgfの耐荷重性能を誇る。JIS保護等級としては、IP68相当となる。

レンズスペックは前作から引き続き、ツァイスのテッサーT* 24mm(35mm換算)で、F4固定の単焦点だ。ただし最短撮影距離は50cmから20cmへと短縮されている。センサーもスペック上は同じだが、画像処理エンジンが1.8倍高速化しており、4K動画の本体記録に対応している。

撮影可能な動画対応フォーマットは、XAVC S 4K、XAVCS HD、AVCHD。動画はプロキシの同時撮影に対応したが、代わりにMP4の同時記録機能はなくなった。4K撮影時は、HDMI出力から非圧縮出力も可能だ。撮影モードは以下の通り。

また動画撮影時には、電子手ブレ補正が効くようになった。ただし静止画では補正なしである。

背面の1.5インチモニターは、チルトできること以外は同スペック。ボタン配置も同じだ。ただしRec中の赤いインジケータは右上角だったが、今回は左下角に移動している。液晶の位置も右側に詰まっており、ボタンの銘板がボタン横からボタン直下になるなど、細かい仕様変更が見られる。

また今回は別売のシューティンググリップ、「VCT-SGR1」もお借りした。カメラとUSB接続することで、動画・静止画の記録のほか、連続電子ズームが手元で可能。これは後で試してみよう。

■豊かな発色が楽しめる

では早速撮影である。本機最大のアップデートはなんと言っても本体4K撮影機能である。ここでは特に断りがない限り、4K/30p/100Mbpsで撮影している。

今回は晴天で光量もあり、なかなか発色の良い絵が取れた。液晶のチルト機能は、まさに待望の機能追加だ。こうした小さいカメラは、極端なローアングルからのアオリやハイアングル撮影に向いているが、従来機は液晶が動かないので、本体だけでアングルの確認ができなかった。液晶のチルトにより、ようやく本機のサイズ感が生きる。

同時に近接距離も20cmに短縮されたので、漫然とした広い絵しか撮れないという事もなくなった。前モデルでは、通常撮影と近距離撮影の2モードを切り換える必要があったが、今回はAFが全域で動作するので、このような切り換え動作はなくなった。モニターが小さいことによるフォーカスの不安は、かなり解消されている。

4K動画撮影でもツツジの花の細かいディテールまでよく撮れているが、同時に背景のデフォーカス部分のザラツキも気になった。100Mppsで撮れるのでビットレートに余裕があるとはいえ、もう少しNRをキツめにかけてもよかったように思う。

今回新しく動画の手ブレ補正が搭載されたので、これもチェックしておこう。電子手ブレ補正なので、これをONにすると画角が多少狭くなるが、元々24mmとかなり広角なので、撮影に対する影響は大きくない。

加えてスマートフォン用に提供されている新アプリ「Imaging Edge Mobile」と「Movie Edit Add-on」をインストールすると、動画をスマートフォンに転送して、さらに強力なスタビライズ機能を利用できる。Movie Edit Add-onは、Imaging Edge Mobileのプラグインのようなものかと思っていたら、別アプリのようである。

今回は比較のために、初代RX0もお借りして同時に撮影してみた。RX0 IIの手ブレ補正は、アクションカムのように強力なものではないが、無しに比べればはるかに補正が効いている。ただ、昨今はGoPro HERO7 Blackのように電子手ブレ補正ながら強力なスタビライズが可能になっているので、それと比べると見劣りするのが残念だ。

Movie Edit Add-onは、画角はさらに狭くなるものの、強力なスタビライズ機能が使える。ただし、画質はかなり落ちる。また4Kで撮影しても、アプリの出力時にHDにダウンコンバートされてしまう。元々はSNSにシェアするためのアプリなので、4Kは必要ないという事かもしれないが、アプリ側の4K対応と、ちぐはぐな実装が気になるところだ。

■使いどころが問われるズーム

ズーム動作は、本体にズームレバーがないため、メニューを呼び出してのボタン操作が必要だ。だが別売のシューティンググリップ「VCT-SGR1」を使うと、ズーム動作が一発でできる。

本機はレンズは単焦点なので、使えるズームは超解像ズームか、デジタルズームの2種類となる。超解像ズームは4Kでは1.5倍にしかならず、あんまりズームする意味がないのは残念だ。

超解像ズームは、ほとんど画質劣化がわからないため、2倍まで寄れるHDでは使い勝手が良いだろう。一方デジタルズームは、昔ながらのデジタルズームなので、画質劣化がある。ただしサンプルを見てお分かりのように、4倍までズームしたいのであれば、むしろ4Kで撮影してHDにダウンコンバートしたほうが、画質は上がる。

ハイスピード撮影は、いったんセンサー内のメモリにハイフレームレートで撮影しておき、それを後からメディアに書き込むというスタイル。最高で960fpsで撮影できるので、24pで読み出せば最高40倍のスローが実現するが、画質優先でも画素数が1,136×384なので、画質的にはかなり落ちる。240fps(1,676×942)ぐらいの撮影が妥当のようだ。

夜間撮影もテストしてみた。昨今のソニーセンサーは高感度になっており、夜間撮影に強い印象だが、今回のセンサーはあまりそこにはフォーカスしていないようだ。今回シャッタースピードを1/60、F4に固定、順にISO感度を上げていった。動画ではISO 3200~6400ぐらいまでと考えておくべきだろう。

■総論

4K撮影可能、さらに動画手ブレ補正装備ということで、“1インチセンサーを採用したアクションカム”のような使い方を期待している向きもあるかと思うが、手ブレ補正はアクションカムほどには強力ではなく、動画カメラとしては一般的なレベルに留まっている。

むしろ複数台をいっぺんにコントロールできるマルチカメラとして、またS-log2で撮影できる小型カメラとして、プロの現場では特殊撮影用の固定カメラで使うという方向性が向いているように思う。

一方コンシューマユースでは、こんなに小さいカメラを三脚に固定して使うということは考えられず、もっぱら手持ちのスナップカメラという位置づけだろうか。

先週はNAB取材のためにラスベガスに居たが、ああいった観光地では、スマホでは撮影しきれない絵が撮れる広角のカメラは役に立つ。実は今回アクションカムのFDR-X3000で風景写真を撮影したが、ミディアム画角でも23mmあって、なかなか撮りごたえがあった。ただし写真機能においては、RX0 IIのほうが全然上だ。先週本機がお借りできていれば、いいソリューションがお見せできたかもしれなかったが、タイミングが合わなかった。

正直コンシューマにおいては、この堅牢性や防水性能、あるいはコンパクトさを活かすキラーソリューションがまだ見つかっていない印象だが、“ポケットに無造作に入れてても壊れない旅カメラ”という線も考えられるのかもしれない。

AV Watch,小寺 信良

最終更新:4/17(水) 8:00
Impress Watch

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