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「屋根の瓦が落ちてくる」危険な放置空き家増加 統一選課題に

4/17(水) 19:01配信

京都新聞

 少子高齢化などにより全国で空き家が増えている。放置されて危険な状態になるのをどう防ぎ、利活用を進めるかは京都府の山城地域でも重要な行政課題になっている。統一地方選で、21日に市議選の投開票を迎える宇治、城陽、八幡の3市の現状や対策に注目した。

 ■宇治市■
 3月に対策計画を策定、本年度から住宅課に空き家対策室を新設するなど取り組みを強化する。
 国の抽出調査によると、空き家率は府内で2番目に低い7・4%(2013年)だが、苦情や相談は増加。所有者らに注意喚起や指導をし、対応待ちの物件は71に上る。
 市は管理不全に陥る前の空き家解消を目指す。遠方に住み、住宅を管理できない人に建物や庭の情報を知らせる見守りサービスを関係団体と始める。
 相談態勢の充実も図る。登録事業者の「京阪住研」(同市木幡)は市を通じ、空き家相談に対応する。ある売却希望者には、ごみ撤去の業者を紹介し、減税措置なども助言。売買が成立し、新しい家が建てられた。同社の荒木恵輔営業部長は「市の情報で、お客さんとの接点が増えてありがたい」とし、今後も力を入れるという。
 流通や利活用へ、市は空き家再生コンペのほか、空き家での新規創業や耐震改修への補助金加算も始める。
 市議選立候補者は「有効な施策には実態把握が欠かせない」と強調。「全戸調査が無理でも通学路など優先順位を決めればいい。関係団体と連携し、きめ細かい情報を集めることが重要だ」

   ■城陽市■
 16年度の市の調査で、1030戸の一戸建て住宅が空き家になっていることが判明した。市は18年度に対策計画を策定。スムーズな相続やリフォームにつなげるため、専門機関と連携協定を結んだ。
 19年度は空き家の発生を防ぐため、山城地域の5市で初めて、2世帯の同居や近居への助成制度を創設。親世帯などとの同居や近居のため住宅をリフォームする場合、工事費の2分の1(上限100万円)、新たに住宅を購入する時は仲介手数料の2分の1(同40万円)を補助する。
 一方、空き家の利活用策は進んでいない。市都市政策課は「価格上昇への期待もあり、手放したい人はいない」と、都市部に近いまちならではの事情を話す。
 ある市議選立候補者は、空き家を交流スペースにしたい住民に対し、市の仲介で所有者から安く借りられる仕組みづくりを提案する。

  ■八幡市■
 昨年、市に「屋根の瓦が落ちてくる」など空き家に関する相談が約60件寄せられた。昨年5月の大阪府北部地震で、件数は例年の約2倍に上った。市は建物が傾いていたり草木が茂っていたりするなど、管理が行き届かない空き家を87戸確認している。
 市議選に立候補している現職は「『隣家が朽ちて崩れてきている』という相談を受けた」といい、市に空き家条例の制定を訴えてきた。市が18年度に独自の空き家調査を始めたことを歓迎するが、対策の強化を求める。
 一方、高齢化が進む男山団地では、空き家の発生を防ぎ、団地の再生を図る動きもある。13年に市と都市再生機構(UR)、関西大などが協力して団地の一角に交流スペース「だんだんテラス」を整備し、住民が集える場にした。小学生から高齢者までサークル活動や憩いの場として活用している。
 呼応するように若い入居者が増え、16年の新規入居者の平均年齢はURの賃貸住宅の全国平均より4歳若い44・8歳。テラスの運営をまとめる辻村修太郎さん(29)は「退去者が減り入居者が増えた。住居単体ではなく、まち全体の居心地の良さが求められている」と分析する。

最終更新:4/17(水) 19:01
京都新聞

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