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イスラム保守勢力、存在感高まる インドネシア大統領選

4/17(水) 20:30配信

毎日新聞

 【ジャカルタ武内彩】今回のインドネシア大統領選は、インドネシア社会でイスラム保守勢力の存在感が高まるなかで実施された。保守勢力の支持を得たプラボウォ氏の選挙集会では「アラー・アクバル(神は偉大なり)」という声が何度となくわき起こった。イスラム教指導者が「イスラム教徒にふさわしいリーダーを選ぼう」と呼び掛けると、割れんばかりの大歓声が上がった。

 インドネシアは人口約2億6700万人の9割近くがイスラム教徒。ただ、隣国のマレーシアやブルネイと違ってイスラム教は国教ではない。「多様性の中の統一」を建国の理念に掲げ、宗教的に寛容な社会とみられてきた。

 ところが2016年、中華系キリスト教徒のジャカルタ特別州知事による発言が「イスラム教を侮辱した」と問題化し、状況が一転。保守勢力が集結して知事の逮捕を求める大規模デモに発展した。知事は翌年の知事選で敗北。その後、有罪判決を受けた。

 イスラム色を強めたプラボウォ氏に対し、ジョコ氏は多様性を重視する姿勢が、一部で「反イスラム」と批判されてきた。危機感を強めたジョコ氏は副大統領候補に穏健派イスラム組織の議長を務めるマアルフ・アミン氏を担ぎ上げ、対抗した。

 イスラム保守勢力が伸長する背景には、経済格差拡大などに不満を持つ人々が、信仰によりどころを求めているためとの指摘もある。国内では、この国が持つ宗教的な寛容さが失われつつあるのではないかと懸念する声が上がっている。

最終更新:4/17(水) 20:30
毎日新聞

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