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正体不明の異物はあるのか? 最新サーバの搭載チップ事情

4/17(水) 15:21配信

EE Times Japan

”古くて十分なもの“はあるが…

 図2はサーバ上に使われるTexas Instruments(TI)のレガシーチップのパッケージと、チップを開封してチップ上の開発年(西暦)および型名情報を顕微鏡で撮影したものである。

 サーバ上には最新のチップばかりが利用されているわけではなく、2000年代や2010年代初頭に開発されたチップも多く使われている。そもそも半導体には古くても十分なものもある。“古くても十分なもの”とは、基本的機能を実現できてあり、採用実績も多く、長い時間使われることでさまざまな資産が蓄積されていることを意味する。不具合がなく、いまだに安定量産ができている……、まさにコモディティ製品といえるチップだ。サーバにはそうしたチップが使われる。

 最新のPCは前述のようにスペースが限られた筐体内部に高い密度の実装を行う。そのため、より小さなパッケージのチップや、機能を集約したチップが使われることが多い。サーバとは対照的だ。

 古いチップは、当然ながら古いプロセステクノロジーが使われる。古いプロセスだからといって問題があるわけではなく、利点は多い。太い線系の古いプロセスを用いることで、最先端のものよりもはるかに頑強で、コストも安くできる。また代替品が多い(=他メーカーが同様製品を提供している)という特長もある。

結論、正体不明チップは「ない」

 図3は、図2とは異なり、最新チップ群が使われるサーバの事例である。メインのプロセッサやDRAMもほぼ最新のものが使われるだけでなく、ハブコントロ―ラやシステムコントローラーも近年に開発されたものが使われている。チップ点数ではプロセッサとメモリを除けば少数だが、常に最新のインタフェースやシステム管理用チップが生み出され使われているわけだ。

 古い(レガシー)デバイスと新しいデバイスが組み合わされている。こうしたサーバも複数分析してきたが、異物、すなわち正体不明のチップには今のところ、出会えていない。

 当社はチップ開封したことで分かる事実を基本に、情報を提供する会社である。正体不明のものがあれば、必ず開封して顕微鏡なりSEM(走査電子顕微鏡)なりを使って観察した上で事実確認を行っている。サーバやスマートフォンにハードウェアの異物が搭載されているという情報が世に出てきたからこそ、くまなくチェックしながらチップ開封判断を行った。

 結論は、複数のサーバ(ラック側も含む)を観察した上で、正体不明チップは「ない」としている。今回報告の製品の44チップは全て、機能も素性もデータシートも入手できるものだけであった。見たことも聞いたこともないメーカーは1つもなく、いずれも他分野も含めて実績の高いメーカーチップばかりで構成されている。

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最終更新:4/17(水) 20:40
EE Times Japan

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