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JALとNTT Com、宙に浮いて見えるビデオ通話を活用した実証実験公開。サクララウンジのシャワー受付で待ち時間をなくす

4/17(水) 17:03配信

Impress Watch

 JAL(日本航空)とNTT Com(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ)は4月17日、羽田空港 国際線ターミナルのサクララウンジで4月10日から21日まで実施中の「3Dホログラムによる受付サービス実証実験」を報道公開した。

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 実証実験はサクララウンジ内のシャワールームで行なわれており、利用者はシャワールーム入口にあるカウンターに設置されたホログラムディスプレイで遠隔地のスタッフを呼び出し、ビデオ通話で利用受付と案内を受け付けてもらう仕組み。

 具体的には、カウンター正面に立つとホログラムディスプレイでメニュー画面が浮かび上がって見えるので、「担当につなぐ(Contact)」ボタンの部分を“空中で押す”。するとWebRTC(Web Real-Time Communication)でビデオ通話が始まり、遠隔地のスタッフ(もちろんサクララウンジの制服を着ている)が応答。利用者の名前と利用便名を確認したうえで、空いているシャワーブース番号を案内する。

 その際、カウンターにあるブース番号札を取り、カメラに見せて番号間違いを防ぐ。各ブースのカギはスマートロックを使って遠隔解除できるようになっているので、カギが開いたら利用者は番号札に対応したブースに入ってシャワーを浴び、利用後は番号札をカウンターに返却。ブースの清掃が終わると再び番号札が元の位置に戻る。なお、受付時に便名を聞かれるのは、シャワールームの利用が「搭乗開始時刻の30分前まで」となっているため。

 ブースには内側からカギをかけるためのボタンもあり、利用者は中に入ったら自分でカギをかける。ブース自体はもともとオートロックの仕組みを持っており、今回のスマートロックと二重のカギになっている。

 従来はカウンターに設置されたボタンを押して、スタッフを直接シャワールーム入口まで呼び出す必要があったが、ラウンジ混雑時や対応中はスタッフが駆けつけるまで時間がかかり、その間、利用者は状況が分からないまま待たなければならなかった。

 今回の仕組みでビデオ通話を取り入れることで迅速な受付対応が図れるようになり、ラウンジのスタッフはラウンジ業務に集中できるようになる。ホログラムで受付を行なうスタッフは空港の別フロアにおり、通常は別の業務に当たっているが、シャワールームの呼び出しがあった場合に受付対応を行なうという。

 実際に使ってみると、きっちり正面に立たないと浮かび上がって見えないという課題こそあるが、呼び出しは空中の画面を触るだけというシンプルさで間違えようがなく、すぐに担当者がビデオ通話で現われるので安心感がある。ホログラムは斜めに浮かび上がるようになっているが、ちょうどノートPCの画面のように見下ろす形になるので、目新しい技術でありながら圧迫感などもない。ホログラムという技術的おもしろさと、ビデオ通話とスマートロックで時短という2つのメリットを感じられた。

 今回の実証実験は、JAL Innovation LabとNTT Comが共同で取り組んでいるもの。ハードウェア面を提供したNTT Com担当者の説明によると、ホログラムディスプレイはカウンターに設置したディスプレイとPCで実現しており、筐体に埋め込んだディスプレイの光を特殊な偏光板で拾って斜めに浮かび上がらせている。

 今回使われているのは11インチディスプレイによるものだが、偏光板のサイズとしては32インチまで存在しており、より大型のものを設置することもできる。現在はほぼ正面に立たないと立体的に(浮かび上がって)見えないので、その視野角を広げることが今後の課題だという。

 機能としては、ディスプレイやタブレットを使ってもビデオ通話は可能だが、JALとNTT Com両社の意図としては、ホログラムで人が浮き上がることで対面の人間的な温かみを感じられることや、ラウンジ利用者に対して技術的に新しい体験・特別な体験が提供できることを重視したという。

 またJALとしては、これまでシャワールームの受付をアナログ的に対応してきたが、今回の仕組みを取り入れてスマートロックのログを取ることで、利用者の平均利用時間や混雑時間帯などの正確なデータが取れるようになったという。今後は利用者からのフィードバックとあわせて、本格導入の検討を進めていく。

トラベル Watch,編集部:松本俊哉

最終更新:4/17(水) 17:03
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