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日産、「GT-R」「フェアレディZ」の50周年記念モデル発表会。「GT-R NISMO」2020年モデルもお目見え

4/17(水) 18:39配信

Impress Watch

 日産自動車は4月17日、東京 銀座にある日産ブランドのグローバル発信拠点「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」において、「GT-R」「GT-R NISMO」の2020年モデル、GT-RとフェアレディZの生誕50周年を記念した「GT-R 50th Anniversary」「フェアレディZ 50th Anniversary」の発表会を開催した。

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 会場1階には、往年の日産ワークスカラーを再現したGT-R 50th Anniversary、米国のレースで活躍した「BRE」チームカラーをイメージしたフェアレディZ 50th Anniversaryを展示するとともに、2階の発表会会場でGT-R NISMOの2020年モデルのアンベールを行なった。

 まず、5月中旬より先行予約受付が開始されるGT-R NISMOの2020年モデルでは、新型のターボチャージャーを採用したのがトピックの1つ。タービンブレードの枚数を減らすとともに最新の流体・応力解析を用い、形状を見直すことで出力を落とすことなくレスポンスを約20%向上。コーナー立ち上がり時など、アクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を高めたという。

 また、ルーフ、エンジンフード、フロントフェンダーにカーボンを用いて車両を軽量化させ、コーナリング性能を向上。中でもルーフには、カーボン素材の間により低比重の材質を挟み込むサンドウィッチ構造を採用し、さらなる軽量化を実施。これらによって約10.5kgの軽量化を達成している。

 装備面では、カーボンシェルにコアフレーム構造を追加することで軽量化をしながら剛性を高めることに成功した新開発のレカロシートを採用したほか、エンジンルームからの熱を逃がすとともにエンジンルーム内の内圧を下げ、エアダクトの排出風によってフェンダー外表面の流速を下げる効果のあるエアダクトをフロントフェンダーに装備。ブレーキローターの大径化に合わせてピストン配列を最適化した専用の高剛性キャリパーも新たに採用しており、この新開発のカーボンセラミックブレーキとカーボン製の外装部品、レカロシートなどを合わせて合計で約30kgの軽量化を果たしているとのこと。

 一方、2020年3月末までの期間限定モデルとして6月に発売するGT-R 50th Anniversaryは、2020年モデルの「Premium edition」をベースに日本グランプリシリーズで活躍したGT-Rレーシングカーのエクステリアをモチーフとした2トーン色のボディカラーを採用。2020年モデルの新色として採用した「ワンガンブルー」では専用ホワイトステッカーを組み合わせたほか、ブリリアントホワイトパールのボディカラーにレッドステッカー、アルティメイトメタルシルバーにホワイトステッカーの計3種類のカラーバリエーションを設定。各モデルともリアに「GT-R 50th Anniversary」の文字をあしらったバッヂとステッカーをレイアウトする。

 インテリアではミディアムグレーの専用内装色を採用し、上質なセミアニリンレザーを使用するとともに、シートのサイド部にはわずかに明るいグレーを配色し、50周年記念にふさわしい高級感のあるキャビンを実現。センターコンソールやメーター内、シートやキッキングプレートなどにも50周年を記念するロゴがあしらわれている。

 また、2020年3月末までの期間限定モデルとして今夏に発売予定のフェアレディZ 50th Anniversaryでは、1970年にアメリカのSCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)のレースで優勝した「Datsun 240Z BRE」のデザインを新たな形で再現。ブリリアントホワイトパールにバイブラントレッドの組み合わせと、ブリリアントシルバーにダイヤモンドブラックの組み合わせの2種類を設定。フロントフェンダーにステッカーを、リアに50周年記念を象徴するバッヂを追加し、ホイールリムにレッドラインを追加した19インチアルミホイールを採用した。

 インテリアでは、レーシングカーをイメージさせるセンターストライプを施したアルカンターラ表皮のステアリングホイールのほか、専用キッキングプレート、専用カラーのシフトノブ、専用ステッチを施したパワーシートやドアトリムを採用。シート、シフトノブまわりやメーター内に50周年記念ロゴを配するなど、50周年の特別感を演出したという。

■GT-Rが買いたくて買いたくて貯金通帳とにらめっこ

 発表会では日産自動車 専務執行役員の星野朝子氏が挨拶を行なうとともに、常務執行役員 NISSAN GT-R 車両開発主管の田沼謹一氏が各車両の概要を紹介した。

 はじめに星野氏は「GT-Rはご存知のとおり“究極のドライビングプレジャー”を追求するという開発コンセプトのもと、数々のレースからのフィードバックや、そのとき日産が持つすべての技術と技能を注ぎこんで、極限までの性能を追求しながら今日まで進化を続けてまいりました。匠の手と感性によって組み立てられ、他の追随を許さない唯一無二のGT-R。日産の情熱の極みであり、日本が世界に誇る、憧れられるスポーツカーと自負しています。私も実は若いころ、GT-Rが買いたくて買いたくて貯金通帳とにらめっこしながら散々悩んで残念ながら買えなかった苦い思い出があるのですが、私にとってもGT-Rというのは長い間憧れのスポーツカーでした」(確認したところ星野氏が欲しかったのはR32 GT-Rとのこと)と、思い出とともにGT-Rについて紹介。

 また、「GT-Rと並んで日産が誇るスポーツカー・フェアレディZですが、技術の日産と熱狂的なファンに支えられて誕生50周年を迎えます。GT-RとフェアレディZが50歳になるということで、日本でも新しい歴史のページが開かれると思っています。50周年を記念するモデルは往年のレースシーンを彷彿とさせるカラーリングを施しています。これによって卓越したアスリートがより強く、より速く、より美しくというものを表現しています。ぜひ日本の多くのスポーツカーファンに日産の魂と情熱がこもった2つのフラグシップを体感していただきたいと思っています」とアピールを行なった。

 次に登壇した田沼氏は、主にGT-Rの2020年モデルについて解説を実施し、ポイントとして「NISMOの深化」「基準モデルの深化」「50周年記念車の投入」の3点を挙げた。

 まず2020年モデルの位置付けについて、「GT-Rはグランツーリスモ(GT)とレーシング(R)の領域の組み合わせになっています。私が開発を担当した2014年モデルのときに大きなイベントがあり、ここでNISMOモデルが投入されました。当時、ニュルブルクリンクのサーキット(北コース)において7分8秒679という当時の量産車最速の記録を残しました。それ以来、GTの領域は基準車で、Rの領域はNISMOでとすみ分けを明確にして開発を進めてまいりました」と説明するとともに、2020年モデルでは特にNISMOモデルの進化に注力したという。

 件のGT-R NISMOの2020年モデルでは、「加速性能」「ブレーキ性能」「ハンドリング性能」「空力性能」が進化。まず「加速性能」の進化については新たにGT3のテクノロジーを用いるとともに、新ターボチャージャーを採用。この新ターボチャージャーでは、タービンブレードの枚数を2017年モデルの11枚から10枚に変更して慣性質量を低減させ、過給レスポンスを高めたという。このことについて、田沼氏は「羽の枚数を減らすと空気流量が減るわけですが、そこについては最新の流体力学シミュレーションを用いてほぼ同等の性能を実現しました」と解説する。

 2点目の「ブレーキ性能」の進化では「世界最高レベルに達した」(田沼氏)とのことで、新しいカーボンセラミックブレーキを採用したことを紹介し、「一般的なカーボンブレーキは低速域または低温域で使いにくさがあるのですが、そこにも一切妥協なく開発しました。カーボンセラミックローター、新摩擦材パッド、高剛性キャリパーの3点セットで開発を進めており、キャリパーについては何色も試験して1000℃に達するような高温域でも退色の見られないイエローを選択しています」と、キャリパーに新色を用いたことなどを報告。

 3点目の「ハンドリング性能」の進化については、「重心から遠い領域にあるパーツ、従来のNISMOで言えばフロント&リアバンパー、トランクリッド、リアスポイラーなどにカーボンパーツを使用していましたが、今回はルーフ、フード、フェンダーの3部位にもカーボンを採用しました。これによって重心から遠い部分の慣性質量を減らし、ハンドリングレスポンスを高めました。一方、先ほど紹介したブレーキシステムで約15kgのバネ下の軽量化も図っており、こちらもハンドリングの性能向上に大きな貢献をしています」と、新採用した各パーツの効果について説明する。

 そして最後の「空力性能」の進化については、「ルーフ、フード、フェンダーの軽量化によって接地荷重が減ってしまう現象があります。普通の速度では問題ないのですが、250km/h、300km/hという世界で意のままに動くGT-R NISMOにおいてはそこも手当しなければいけません」とし、新たにフロントフェンダーにアウトレットを付けたことを紹介した。

 なお、GT-R 2020年モデルの新色として新たに設定された「ワンガンブルー」について、これはR34 GT-Rで設定された「ベイサイドブルー」をモチーフにしたもので、ネーミングの由来について田沼氏に聞いたところ「R34のときはベイサイドブルーでした。今回はワンガンブルーです。あるこだわりを持った人物がおりまして、どうしてもワンガンにしたいということで晴れて正式名称に採用されました。本人も喜んでいると思います(笑)」とのこと。“ある人物”とはR35 GT-RのCPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)である田村宏志氏とのこと。

Car Watch,編集部:小林 隆

最終更新:4/17(水) 18:39
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