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「平成最後の貨幣」大人気 予定の倍、51万組超製造 収集ブーム再燃に期待

4/17(水) 10:00配信

産経新聞

 新元号「令和(れいわ)」への改元を前に、「平成」や「皇室」にちなんだ硬貨が脚光を浴びている。平成最後の貨幣セットには、新元号の発表前から注文が殺到。独立行政法人造幣局(大阪市)前には連日、買い求める長蛇の列ができる人気ぶりだ。今夏以降、令和や新天皇即位に関連する記念硬貨の販売も予定されており、関係者はブーム再燃に期待を寄せる。(吉国在)

【表】一~五百円硬貨6枚入りセットの販売量推移

 「20年前から貨幣セットを毎年購入しているが、こんな光景は初めてや」

 「桜の通り抜け」期間中の4月11日朝、列に並んだ大阪市都島区の男性(79)は苦笑いを浮かべた。

 人々が入手に躍起になっているのは「平成31年」と刻まれた一~五百円硬貨6枚入りのセット。約2時間待ちした京都市伏見区の美容師、村上史弥(ふみや)さん(31)は「平成時代を思い出す記念にしたい」。大阪市阿倍野区の女子大学生(21)も「プレミアがつきそう」と笑顔をみせる。

 造幣局が1月から、この貨幣セットを発売したところ、全国から21万組もの注文が殺到。3月に追加発行を決定し、当初計画の倍にあたる計51万6千組の製造を予定する。収集家だけでなく、一般の人も買い求めた結果、入手困難な状況となった。

 各年製造の一~五百円硬貨6枚入りの貨幣セットは、ピーク時の平成7年には200万組以上を販売したが、その後徐々に減少。29年には約40万組にまで落ち込み、一部の収集家のみの楽しみとなっていた。

 こうした中で今後、「令和」と刻まれた硬貨や、令和3年には新五百円硬貨の製造も予定されており、造幣局の担当者は「コイン収集の楽しみを知るきっかけになれば」と話す。

 改元にちなんだ貨幣セットが人気を集める背景について、社会現象に詳しい関西大学の間(ま)淵(ぶち)領(りょう)吾(ご)(まぶち・りょうご)教授は「前提として国民の多くが天皇陛下の存在や、改元を好意的に受け止めている」としたうえで、「平成が終わる記念の品を手元にとどめておきたい心理の裏側には、価値観が多様化する現代に国民統合の象徴を通じて一つにまとまりたいという潜在欲求が隠れているのかもしれない」と話している。

 ■記念硬貨も発行ラッシュ

 収集家だけでなく、多くの人をとりこにしてきた貨幣セットや記念硬貨。その人気は、昭和39年の東京五輪にさかのぼる。

 造幣局によると、当時、記念千円銀貨の発行をきっかけにコレクターが増えた。45年の大阪万博の記念硬貨が発行で収集ブームが再燃。その後も61年の天皇陛下在位60年記念金貨の発行で再びブームが起きた。

 こうしたなかで造幣局は昨年から、2020年東京五輪・パラリンピックを記念した1万円金貨や千円銀貨など、すでに販売されたものも含め東京五輪関連の計37種類の発行を決定。

 2月には天皇陛下在位30年記念硬貨2種類を販売したほか、年内に新天皇即位の記念硬貨が発行される見込みで、今後も記念硬貨の発行ラッシュが続く予定だ。

最終更新:4/17(水) 13:00
産経新聞

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