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【特集】乳がん手術に「キャンセル料」請求 保険医療適用なのに...がん患者の戸惑い

4/17(水) 13:17配信

MBSニュース

キャンセル料請求は「聞いたことなかったし、普通はしない」

こうした手術キャンセル料の請求は医療現場で行われるものなのでしょうか。胃がん手術のエキスパートで知られる外科医は首を傾げます。

「(手術キャンセル料は)聞いたことなかったし、普通はしないこと。私費(自費)診療の世界はわからないが、通常の保険医療の対象になる疾患で、手術を計画して何らかの都合で身体的な都合もあるだろうし、患者さんが迷っている状況で、延ばしてほしいキャンセルしたいというのは普通に起こること。がんの患者さんは非常に不安があるし」(淀川キリスト教病院・外科特別顧問 笹子三津留医師)

手術を予定していても、患者側の体調悪化などでキャンセルや延期は珍しいことではないといいます。

「がん患者さんの心理的な状況を考えると、同意しているとしても通常の契約とは全く異質のもの。そう(キャンセル)ならないようにするための抑止力として使っているのかなと…」(笹子三津留医師)

クリニック側の見解は?

実は佐藤さんが手術に踏み切れない理由はもう1つありました。最初の診察の時に、がんではない健康な左の胸の手術も勧められたことも気になったといいます。

「片方は(乳房再建して)きれい、もう片方は自然(のまま)。『今だったら(健康な)左の胸も同時にしたら、何パーセントか割引で、本当なら80万円するけどできますよ』と言われて。がんで(手術)という時に、(両胸を)同時にきれいにと言っていることはわかるが、それってちょっと…」(佐藤さん)

キャンセル料について佐藤さんは医療の専門家に相談、「支払う必要はない」とアドバイスされ、8万円あまりのキャンセル料を支払っていませんが、督促などはないといいます。

では、なぜキャンセル料を請求したのか、クリニックを立ち上げた代表の医師にインタビュー取材を申し込んだところ、メールで回答がありました。

『乳房再建手術が保険適用される前は、手術に使用するインプラントを購入していたのでキャンセル料を請求していた。キャンセル料を受け取ったことは一例もなく現在は請求していない』

またキャンセル料の設定は全国のクリニックのうち、大阪の責任者である別の院長が行っていて知らなかったといいます。

果たして保険診療で行われる手術でキャンセル料の請求は認められるのか、近畿厚生局に問い合わせてみると…「キャンセル料として自費請求することは不適切」という見解でした。

佐藤さんはキャンセル料の存在が負担となり、十分に納得できないまま手術を受けた患者もいたのではないかと危惧しています。

「知らずに『怖い』と思いながらも手術を受けた人もいるんじゃないかと思う。正直な気持ち、残念だなと思う」(佐藤さん)

(4月16日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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最終更新:4/22(月) 13:30
MBSニュース

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