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海外メジャーが熱視線、安くて安全な「日本の水」は守られるのか

4/17(水) 7:09配信

読売新聞オンライン

 水道事業の民間参入に道を開く改正水道法が成立した。予算や人手の不足により、各地で水道事業が危機に瀕(ひん)しているが、法改正だけが先行し、民間参入のメリット、デメリットや水道の将来像に関する議論は不十分なままだ。このままで、安くて安全な「日本の水」を守れるのか。世界の水ビジネスの現状が日本で十分知られていないことに危機感を持ち、最近、著書『日本の「水」が危ない』を出版した国際政治学者の六辻彰二さんに寄稿してもらった。

オーナーとマネジャーの関係

 昨年12月の改正水道法の成立は、日本の水道にとって大きな節目となる出来事だった。この法改正で、水道事業に民間企業が参入する法的な枠組みが、ほぼ完成したからだ。

 もっとも、公営が当たり前だった水道事業に民間参入を促す改革は、昨日や今日に始まったことではない。20年にわたる改革の積み重ねの結果でもある。

 改革の出発点は、バブル崩壊後に構造改革の必要が叫ばれる中、1999年に成立した「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」だった。

 改正水道法で想定される民間参入の形態は、2011年のPFI法改正で導入された「コンセッション方式」である。公共施設の所有権を自治体が保有し続け、経営を民間企業に委託するもので、自治体と民間企業が店舗経営などにおけるオーナーとマネジャーの関係になる。所有権も民間に譲渡したJRやNTTなどの場合とは形態が違う。

 水道事業を民間に委託するかどうかの決定は自治体に委ねられているが、コンセッション方式を普及させるため、政府は多くのお膳立てをしてきた。13年には100億円以上を拠出して、民間企業の参入を促す官民連携インフラファンドを発足させている。

 今回の法改正は、自治体の垣根を越えた水道事業の広域化を市町村に促すことに主眼が置かれているが、同時にこれは民間業者が参入した場合に利益をあげやすくするためのものでもあり、一連の改革はこれをもって一段落ついたといえる。

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