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米独立戦争で活躍のポーランド人将校、女性だった可能性

4/17(水) 10:38配信

The Guardian

【記者:Jessica Glenza】

 米独立戦争で活躍したポーランドの軍人、カジミール・プラスキ将軍は女性だったか、あるいは男女の区別に明確に適合しない「インターセックス」だったと研究者たちが信じるに至っている。

 米ケーブルテレビ番組スミソニアン・チャンネルは、プラスキ将軍に関する歴史を検証するドキュメンタリー番組を放送した。プラスキ将軍は騎兵隊の指揮官で、米独立戦争の際は、後に初代大統領となるジョージ・ワシントンの下で戦った。

 研究者たちは米南部ジョージア州サバンナにあるプラスキ将軍の記念碑の移設が決まった際、調査を始めた。プラスキ将軍の遺骨は、1854年に建てられたこの記念碑の下で金属製の箱に納められていた。アリゾナ州立大学の法人類学者、チャールズ・マーブス名誉教授がこの調査を主導し、研究のために遺骨を掘り出した。研究資金は米スミソニアン協会が援助した。

 同大のニュースメディア、ASUナウに対しマーブス教授は「最終報告が発表されるまで、今回の発見について何も言えなかった」と振り返る。マーブス氏はジョージア大学の自然人類学者、カレン・バーンズ博士ら他の専門家と共に調査を行った。

 マーブス教授は 「私が中に入ろうとすると、バーンズ博士から『中に入っても叫び出さないでください』と言われた。慎重に、徹底的に検討した後に、落ち着いて議論しましょうと言われた。中に入ってすぐに博士が言った意味が分かった。遺骨はまさしく女性のものだったのだ」

 研究チームの一員だったジョージア・サザン大学の人類学者、バージニア・ハットン・エスタブルック教授は、米NBCニュースに対し「男性と女性の骨の違いの一つは骨盤だ。女性の骨盤腔はより楕円形をしており、男性の方はハート形に近い。プラスキ将軍の遺骨は非常に女性的だった」と述べた。

 当然、遺骨が本当にプラスキ将軍のものなのかどうかという疑問がすぐさま生じた。過去の研究者たちは照合するためのDNAを入手できず、特定ができていなかった。だが今回、研究者たちは、プラスキ将軍の兄弟の孫娘のミトコンドリアDNAとの一致や、プラスキ将軍の負傷箇所や身体的特徴を掛け合わせ、遺骨の特定に成功した。

 プラスキ将軍はポーランドのカトリック系貴族の家庭で男性として育ち、戦い方や乗馬を学んだ。米独立戦争では米国側に協力し、1777年9月11日にフィラデルフィア州南部ブランディワインで英軍と戦った。ここで大敗し捕虜になりかけたワシントンを救ったという。

 プラスキ将軍はさらに装備や訓練を要求し、米国の騎兵隊を整えたが、1779年10月、サバンナの戦いで重傷を負い、数日後に船上で死亡した。結婚はせず、子どもはいなかった。

 研究者たちによると、現代ではプラスキ将軍は物静かで気力にあふれ、勇敢な戦士で優れた騎兵として評価されている。

 マーブス教授は「将軍は生涯にわたって一度たりとも、自分を女性とは思わなかっただろう。自分を当然のように男性だとみなしていたものの、何かがおかしいと感じていたのではないか」と述べる。

 米ブラウン大学の医学文献での調査によると、子ども全体の約2%がインターセックスとして生まれる。つまり2%の子どもたちは生殖器上、染色体上、あるいはホルモン的に「どちらの性にも唯一、普遍的に適切な発達の道と結果があるというプラトンの観念」の外側に位置付けられる。【翻訳編集:AFPBB News】

「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

最終更新:4/17(水) 10:38
The Guardian

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