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「日本の5Gは周回遅れ」という論調への異論:本田雅一のウィークリー5Gサマリー

4/17(水) 6:30配信

Engadget 日本版

海外ではすでにサービスが始まっているのに、“まだ終わっていなかったの?“と思うかもしれませんが、総務省の電波監理審議会で、やっと5G NR(第5世代移動通信技術)を用いたサービス向けの周波数割り当てを認める答申が行われました。

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“周波数割り当てを認める答申が行われました“という表現そのものが、いまひとつピンと来ないかもしれませんが、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が申請していた周波数割り当てに対し、“認める“との答を出したわけです。

6GHz以下のSub-6(3.7GHz帯および4.5GHz帯)に関しては、NTTドコモとKDDIが2枠、ソフトバンクと楽天モバイルが1枠づつを獲得し、28GHz帯に関しては各社とも1枠づつ。ソフトバンクは希望していたSub-6への2枠のうち、1枠しか割り当てられなかったことになります。

もともと、総務省はSub-6について計6枠(1枠が200MHz幅)、28GHz帯について計4枠(1枠が400MHz幅)を事業者に割り当てるとし、それに対する希望を募っていました。楽天モバイルが参加する時点で、3大携帯電話事業者のうちの1社は1枠になると事前にわかっていたわけです。つまりこの結果は契約者数の状況や各社の投資計画を見る限り、順当な割り当てと言えるでしょう。

各社が総務省に届け出た2024年度末まで5年分のサービス開設計画によると、総計1.7兆円程度の設備投資が実行されることになります。過去の例をみると、サービス品質などの競争などで、予定の数字を大きく超えることもありましたし、今回もそうなる可能性は高そうです。NTTドコモが約7950億円、KDDIは約4667億円、ソフトバンクは約2061億円、楽天モバイルは約1946億円を計画しています。NTTドコモの投資額が突出している一方、楽天モバイルも持っている契約者数からすると、かなり大きな投資をしようとしていることがわかりますね。

しかし、これらはいずれも“総投資“であって、どのような投資なのかという明細を示しているわけではないことに注意した方がいいでしょう。当面は現行のLTE-Advancedがしばらく主流であり続けることは間違いありませんから、それぞれの携帯電話事業者ごとに応用分野に重み付けをしながら投資をしていくことになるでしょう。

つまり、単純な金額比較はあまり意味がないということになるものの、NTTドコモとKDDIは、いずれも5年以内に全国4500区画のうち90%を5Gエリアにしていくとしています(ただしどの周波数帯で......とは言及していませんし、以前のコラムで触れた「LTEで利用している周波数帯の転用」を含んだものだと考えるのが妥当でしょう)。

さて、周波数割り当ては国がそう発表したという純粋な情報を伝えるものなのですが、今回の記事を書いていて気づいたことがひとつあります。

それは「日本の5Gはグローバル基準でめっちゃ遅延していて、1周は遅れている」という意見がとても多いということ。個人の意見やブログなどで、そうした言及があるだろうことはわかるのですが、周波数割り当てを伝えるニュースに付随して「日本は後れている」論が、テレビなどのマスメディア報道の中でも散見されました。

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最終更新:4/17(水) 6:30
Engadget 日本版

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