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【ブラジル】伯出版市場「危機に瀕している」 不況、読書習慣の欠如が響く

4/17(水) 7:08配信

サンパウロ新聞

 ブラジル国内における書籍の販売が数量、金額ともに落ち込んだ。全国書籍出版業組合(Snel)と市場調査会社のニールセン(Nielsen)が実施した調査によれば、2019年1~2月の書籍販売数量は18年同時期に比べて17.95%少ない641万5433冊にとどまり、販売額は同18.81%減の3億3095万レアル(約91億円)に落ちた。販売された書籍の平均単価は18年同時期の52.14レアルよりも小さい51.59レアルだった。

 16日付伯メディアによると、今年の年初2カ月間に最も大きな落ち込みを見せたのは教科書だった。新学期が始まる時期にもかかわらず、教科書の販売数量は43%、販売額は38%、それぞれ18年同時期を下回った。

 ブラジルでは昨年、書籍の販売そのものの不振とインターネットを介した書籍販売の広がりを背景に、書籍小売店チェーンの大手2社が相次いで裁判所へ民事再生の申し立てを行った。また、書籍やCD、電子機器などを扱うフランスの大手小売チェーン「フナック」(Fnac)がブラジル市場から撤退した。しかしそれでも、同組合のまとめによれば、18年の書籍の年間販売数量は17年に対して1.32%増の4430万冊に上り、販売額は同4.59%増の18億6000万レアル(約558億円)に達した。

 ブラジル書籍協議所(CBL)のヴィトル・タヴァレス会長は通信社アジェンシア・ブラジル(Agencia Brasil)の取材に対し、書籍出版業界は多元的に「危機に瀕している」と明かした。同氏によれば、3年前まで続いた景気後退と17年、18年に観測された経済の低成長が消費者の行動にマイナスの影響を及ぼした。「個人および家計の予算は減少した。人々は消費をカットする。書籍は(購入を)待っても構わない物だと考えられるようになる」とタヴァレス氏は話す。

 同氏はまた、経済の状況だけでなく、インターネットによる販売とショッピングモール内に大型書店を維持するためのコストの影響を受けて書籍販売ビジネスそのものが変化しているとし、さらに、読書習慣の欠如によってブラジル国内における書籍の販売には限界があると指摘し「我々の国は本を読まない国だ」と述べている。

サンパウロ新聞

最終更新:4/17(水) 7:08
サンパウロ新聞

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