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ノーカット上映された「麻雀放浪記2020」は「ここが勿体ない!」

4/17(水) 14:57配信

TOKYO HEADLINE WEB

【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 斎藤工主演、白石和彌監督「麻雀放浪記2020」を観てきました。

 正直な所、この映画に関しては記事にする際に「純粋に映画の感想を述べるべき」か、「ピエール瀧さん出演部分をノーカットで上映したこと」か、どちらかに焦点を絞らないと、問題が複雑化してしまうのではないかと不安な部分もありましたが、「この映画と向き合わないことこそ、映画関係者としてどうなのよ」という思いが強く、劇場へ飛び込みました。

 まず、めっちゃ面白かった。

 それも傑作とか感動大作というのではなく、もしも「B級映画チェックリスト」が有ったら満点が取れるであろう“狙われた”チープさ。

 全ての映画好きに届くであろう、遊び満載の快作でした。

 で、続いて「ノーカット問題」。これについては僕としては「ギャラが広告費から出ているテレビ番組やCMに関しては、スポンサーへ迷惑をかけるので放送中止や損害賠償は仕方がない」「映画や音楽は不買が直接的に本人の収入に影響するから、それ以上自粛や回収などの制裁を加えるべきではない」というのがスタンスです。

(勿論、人を殺した映像が映ってるとか、他人の音源を無断で使っているとか、作品の中に違法行為が関わってるのはこれに当たらずですが)

 だって、違法行為に関しては、このあと裁判所が刑罰を決めて執行されるんだから、社会的な罰というのは上に書かれている以上のものを与えちゃいけないと思うんですよね。

 ゴーンさんが捕まったからって、日産の車全車回収、しかも払い戻し無しとかだったら社会大混乱じゃないですか?

 違法行為に関しても「薬物犯罪には被害者がいない」とか「いや、犯罪組織に資金が流れている時点で被害者がいる」とか、色々な議論があるようですが「麻薬はノーカット」「殺人は回収」「窃盗はカット」「自転車の2人乗りはノーカット」なんてやってたら映画製作のガイドラインが六法全書超えちゃいます。

 根本的には「合法か」「違法か」「重犯罪かどうか」で話すしかなくて、上に書いた「不買自体が制裁になる」と「違法だった場合には刑罰が用意してある」というのがある程度の答えなんじゃないでしょうか?

 さて、どちらかに論点を絞らなければと言っておいて2つの意見を書いた様に見えるかもしれませんが、ここからが本題です。

 もったいねえぇぇぇ!

 作中、チープの皮に隠しながら「デモ隊をボコボコにする警官隊」とか「マイナンバーってなんだよ!?」とか「金賭けないで何がマージャンだ!」とか、ノーパンしゃぶしゃぶを思わせる「ふんどししゃぶしゃぶ」とか!

 色々な議論を活発にしそうなネタと皮肉が満載だったのに、事件のせいで上記の「ノーカットへのスタンス」からしか議論が始まらなくなったのが、

 もったいねえぇぇぇ!

 なんの先入観もなく観て、大笑いして、一晩中議論を交わしたかったなぁ。

 まあ、もはやカットしたところでこの印象は変わらなかっただろうし、観る観ないもこればかりは皆さんの思想次第なので、今回は“オススメ”とは書きませんが…

 願わくば、せっかく「ノーカット上映」という一石を投じたのだから、興行的な結果も含めたうえで今回のことが、広く映画界で議論されることを祈るばかりです。

最終更新:4/17(水) 14:57
TOKYO HEADLINE WEB

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