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日系社会の遺産調査48 コチア産組の祖「下元健吉胸像」

4/17(水) 7:10配信

サンパウロ新聞

 サンパウロ州サン・ロッケ市の国士舘大学スポーツセンター(Rodovia SP-250, km 48)内の「コチアの森」に設置されている下元健吉胸像は、1957年にコチア産業組合創設者の下元氏が専務理事として亡くなった時に、コチア産組、南米開発青年隊、コチア青年連絡協議会らによって建立された。

 当初はコチア産組の本部に建立され、同産組解散後にSBC病院へ移設。後に、コチア市内の高知県伊野町(現:いの町)との姉妹都市友好庭園広場内に建てられていたが、2007年に盗難に遭い、管理していた市役所によって再度建立されたが、13年に再び盗難の憂き目にあった。

 後に、同協議会の村田重幸顧問の元に、警察官の知人から「これは村田さんのところのじゃないのか」と知らせが入り、胸像が返却された。返却時に、胸像の鼻が欠けて無くなっていたが、下元家に胸像の設計図が残っており、村田顧問らの手によって修復された。胸像は、多岐にわたる災難を乗り越え、15年のコチア青年移住60周年記念事業として「コチアの森」に移設されている。

 故郷・高知県で農業組合の活動を見てきた下元氏は、1914年に渡伯し、同市で野菜作りに従事。27年には、バタタ(じゃがいも)生産者の組合設立運動を起こし、コチア・バタタ生産者産業組合を設立。バタタ以外の野菜生産者も組み込んで、南米最大の農協、コチア産業組合を築いた。

 現在、胸像があるコチアの森は、下元氏の命日9月25日に合わせて毎年行われるコチア産組合同慰霊祭で、関係者が集まる場となっている。(つづく)【戸田和敬】

サンパウロ新聞

最終更新:4/17(水) 7:10
サンパウロ新聞

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