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「人々の届かぬ願い、叫び、輝き…」 高橋智史さんがファインダーを通して見た、カンボジアの15年

4/17(水) 16:51配信

ハフポスト日本版

「この写真は、フン・セン首相が投票をした直後の瞬間です。メディアを潰し、最大野党を解党し、市民社会への脅迫を繰り返し、抵抗勢力を一掃した中で断行された総選挙でした。80年以来の一党独裁体制をなし得た、その瞬間だったような気がします」

 与党は定数125の全議席を得て圧勝したが、公正さに首をかしげざるを得ない選挙で、アメリカ、EU諸国は選挙支援から手を引いた。

 総選挙後、現在の状況はどうなっているのか。

「国際的な批判の目をかわすために、テップ・バニーさん含め、活動家たちは釈放されています。ただし徹底的な監視下に置かれ、あれだけ勇気を持って立ち上がっていた活動家たちは、前のように活動ができない。そういう状況に陥っています」

 日本からできることは何か。

「まず知ること、伝えること、広げていくこと。その一つひとつでしか問題解決につながっていきません。私ができるのは人々の願いを写真を通して伝えていくことにあります。人々の届かぬ願い、叫び、輝きを、ファインダーを通して伝え続けていきたい。そしていつの日か、カンボジアの地に人々の望む未来が訪れたとき、それをまた最前線で切り取っていきたいと思っています」

 土門拳賞受賞作品展は、4月16~22日に新宿「ニコンプラザTHE GALLERY 1」、5月23~29日に大阪「ニコンプラザTHE GALLERY 」、9月27日~11月10日に山形県酒田市「土門拳記念館」で行われる予定だ。心に語りかけてくるような高橋さんの写真から、カンボジアの現実を感じてみてほしい。

文:高橋有紀/編集:南 麻理江(ハフポスト日本版)

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最終更新:4/17(水) 16:53
ハフポスト日本版

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