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がん見落とし患者死亡 富山大附属病院 「因果関係ない」

4/17(水) 1:28配信

北日本新聞

 富山大附属病院(林篤志病院長)は16日、がんの可能性があるとした患者の検査結果を泌尿器科の医師が見落としていたと発表した。患者は今春、見落とされたがんが原因で死亡した。林病院長らが会見し「患者さまとご遺族に多大な負担と心痛をかけ、誠に申し訳ない」と陳謝。患者の命を縮めたことは認めたが、「死亡と医師のミスに因果関係はない」と説明し、担当医の処分はしないとした。

 会見での説明によると、患者は数年前に泌尿器科でがんの手術を受けた後、定期的に受診。2018年春にコンピューター断層撮影(CT)検査を受けた際、放射線科の医師が別の臓器に新たながんの可能性があることに気付き、画像診断報告書に記載した。しかし、泌尿器科の担当医はこの報告に気付かなかった。

 患者は同年夏ごろに体調を崩し、秋に同病院を再び受診した際、がんが進行した状態で見つかった。病院側が春の検査結果を見直したところ、見落としが明らかになり、患者と家族に説明した。患者は同病院で治療を続けた。

 同病院によると、画像診断報告書は、患者の電子カルテに添付され、担当医が閲覧する仕組み。この泌尿器科の医師は、自らが担当したがんに再発がないとの検査結果に目を奪われ、その後に書かれていた新たながんに関する記述を見落としたとみられる。

 同病院は「報告書全てに目を通すのは医師の業務として当たり前」としながらも、今回のミスが起きた原因について「重要な所見がある報告書を電子カルテ上で医師に知らせる仕組みが不十分だった」と説明。再発防止策として、重要な所見がある報告書を赤枠で囲んで表示するなど、医師が気付きやすいようにシステムを改修した。

 ミスと死亡の因果関係については、外部の医師を交えた院内委員会で検討した結果、「がんは春の段階で既に全身に転移していた可能性が高く、その時点で治療を開始しても救うことはできなかった」と結論づけた。遺族の意向を理由に患者の性別や年齢などは明らかにしなかった。

北日本新聞社

最終更新:4/17(水) 1:28
北日本新聞

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