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【家入レオ インタビュー】自分にしか歌えないものを突き詰めてアルバムを制作していこうと

4/17(水) 18:02配信

OKMusic

このアルバムは間違いなくターニングポイントになる

──小谷さんを引っ張ってきたのには、個人的には一番“おっ!”と思いました。

『TIME』のツアーでドラムを叩いていただいた玉田豊夢さんがトリオで一緒にやられているというので、聴き始めたら魅了されてしまって。それでライヴに行って、楽屋でお話をしているうちに、気付いたら“曲を書いてください!”って言ってました(笑)。そしたら面白がって受けてくださって。で、小谷さんとご飯を食べながら打ち合わせをしたんですけど、“小谷さんは黄色い幼稚園バッグからナイフを出すような人だと思います。そういう感じで曲を書いてください”ってお願いしたら「JIKU」が生まれて。狙っても書けない次元の曲を書いてくださったと思います。

──メロディーは組曲みたいだし、歌詞も《わたしは奴等の全て 殺してしまうのになぁ》というフレーズには思わずハッとしました。

私もすごいと思いました。小谷さんとの制作は“音楽ってこんなにも自由なものなんだ!?”と改めて思わせてくれましたね。そう、自分が作った「サザンカ」のアレンジも、このレコーディング中に小谷さんにお願いしたんです。これもほんとに嬉しかったですね。自分にとって意味が生まれてしまった曲が、これだけ音楽的にものすごいアレンジになって返ってきて…やっぱり自分で詞曲を書くのもいいなって思いました。

──「サザンカ」のピアノを基調としたアンサンブル、アウトロなんて完全に主役ですし。

そう! あれは“せーの”で録ったんですけど、あのアウトロに入る時に“私、やっとここまで来た!”って。それは音楽人生だけじゃなく、なんか自分の人生として涙が止まらなくなっちゃったんです。全部受け止めてくれたというか、あの瞬間に少女からちゃんと女性になれた気がしました。

──先ほど“自分にとって意味が生まれてしまった曲”とおっしゃってましたが。

私の中で、生きているんだけど確実に死んでいる部分があって…。聴くたびに、それを思い出させてくれるというか。ひとつお墓を作ったようなイメージです。

──ということは、「サザンカ」は自分のために歌っている?

はい、そうです。これからも私にしかない経験、価値観みたいなものをどんどん音楽に降ろしていければいいなって。

──で、そういう姿勢を一瞬で見破ったのが松任谷由実さんという。

そうなんです。初めてお会いした日に“あなた素数ね。どこにいても馴染めないでしょ?”って。自分で分かっていながら、ずっと奥に隠していた現象に名前を付けてくださって…不思議な心地がしました。

──その“素数”をモチーフにしたのが、1曲目の「Prime Numbers」ですね。

はい。「Prime Numbers」は最初メロディーも歌詞も自分で書いていたんですけど、“これは大きな船になる”っていう予感が生まれて。それでメロディーを久保田真悟さんと一緒に磨いて、歌詞はずっとご一緒したかった松尾 潔さんに託すことにしたんです。これはもう、ほんと自信作ですね。

──そんな今回のアルバムは1曲目からラストまで一曲一曲が濃くて、強くて、そしてしなやかで。

どの曲もメインディッシュ感が強かったので、“バラエティーに富んだアルバム”という印象だけになるのは避けたくて、歌で一本筋を通そうと。なので、歌録りの環境をできる限り変えないように、同じスタジオで、同じエンジニアさんで、マイクもずっと同じもので通していました。

──このアルバム、レオさんの最高傑作であると同時にターニングポイントになりそうですね。

間違いなくターニングポイントになると思います。面白くなりますよ、これからもっと。でも、まずはこのアルバムをたくさんの人に聴いていただきたいですし、ぜひツアーにも足を運んでほしいです。

取材:竹内美保

OKMusic編集部

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最終更新:4/17(水) 18:02
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