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国内最大の「Alexa」コミュニティイベントが神戸で開催--スキル開発の“リアル”を共有

4/17(水) 8:00配信

CNET Japan

 アマゾンが開発するAIアシスタント「Alexa」のユーザーグループが主催するコミュニティイベント「Alexa Day 2019」が4月初旬に神戸市で開催された。

 日本で最初のAlexaユーザーコミュニティ「AAJUG(エージャグ)」の有志が企画運営するイベントで今回が2回目。AWSのユーザーグループ「JAWS-UG」をはじめ、Alexaのデベロッパーエバンジェリストや、企業でAlexaに関するビジネスに取り組む担当者たちがボランティアとして協力し、16にのぼるプログラムにスタッフを含む300人以上が参加した。

 プログラムの内容は、Alexaを使って様々なサービスや機能を使えるようにするスキル開発を中心に、技術に関する最新情報やビジネスでの活用事例、音声インターフェイス(VUI:Voice User Interface)を設計デザインする方法から、AWSとの連携まで、初心者からハイエンド向けまで幅広く、実用的なものになっていた。

 イベントを主催するAAJUG代表の伊東知治氏も「2018年2月に初めて開催した時は、Alexaが日本に上陸して間もないこともあり、一般向けの話題が中心だったが、今回は開発ノウハウやVUIマーケットにも踏み込んだ話題を取り上げている」と話す。

 展示コーナーでは、開発支援サービスやスマートスピーカー以外の連携デバイスなどが紹介され、Alexaを始めとする音声サービスがビジネスとして注目されつつあることが伺えた。

 他にも親子で参加するAlexaで動くロボットを作るワークショップや、3月末から日本でも使えるようになった、テンプレートを組み合わせるだけでスキルを開発できる「Alexa Skill Blueprints」のワークショップも開かれ、神戸市協賛によるアプリコンテストも開催された。

増えるAlexaの応用--企業による活用事例も

 アマゾンは”Alexa Everywhere”をテーマに、PCで使えるAlexa for Windows 10のリリースや、手持ちのスピーカーをAlexaに対応させる「Echo input」の発売などマルチデバイス対応を強めている。日本語で使えるスキルも2500以上になり、テキストや動画などで音声インターフェースを保管するマルチモーダル化も進んでいることから、音声を使ったボードゲームの製作やリスト・リマインダの活用など新しい応用も増えている。

 デベロッパーエバンジェリストの吉田一茂氏は、「家電をコントロールするスマートホームスキルの利用も増え、スマホ経由でAlexaを使えるワイヤレスヘッドホンの登場や、日本でもこれから対応が進むであろう車載向けのBest Practices for Designing Alexa Skills for Automotiveなど、ユーザー体験は拡がっている」と説明。スキル開発については、アカウントリンク、Amazon PAY、日本では未対応だがスキル内課金などを活用したマネタイゼーションの可能性が広がっており、開発者支援策を強化していることを紹介した。

 そうした状況に企業側もいち早く対応を進めており、アドビシステムズ、ローランド、ジョルダン、サイバードといった企業から、ビジネス活用事例や開発技術に関する具体的な話が紹介された。

 クックパッドでは食材の名前を言うとレシピを調べるスキルを開発しているが、担当した研究開発部の山田良明氏は、「画面操作が不要なVUIは手元に集中できるのでキッチンで使うには相性が良い」と言い、現在手がけているスマートキッチン向けの新しい調理家電の開発でも、「鶏肉を100g解凍して」という複雑な設定が簡単にできるため、積極的に利用したいと話す。

 一方で、リストの一覧やフィルタリングが難しく、「大根のレシピ」を「鯛とコーンのレシピ」と誤認識するなど、全体のリテンション率も3%程度なので、開発ではまだまだ苦労していることも紹介された。

開発者から寄せられたAlexaへの要望

 最後に実施された開発者によるパネルディスカッションでは、スキル開発で注意しておく点や、マイクの指向性を高めてほしい、音声を自由に変えたい、ウェイクワードを変えられるようにしてほしいといった、機能に対する要望も出された。

 「音声だけでは限界があり、それ以外のアプローチと組み合わせて体験そのものを増やさないといけない」という意見が複数あり、VUIの可能性は感じつつも、市場としてはまだこれからという認識であることも伺えた。海外ではコールセンターと連携して音声データを集め、感情分析に応用できるのではないかという話もあり、新たな技術への挑戦は続きそうだ。

 モデレーターを務めた伊東氏は、「開発のハードルは下がってきたがそれを知る人は少なく、もっとたくさんスキルを作る人たちが出てきてほしい。コミュニティを通じてAlexaをもっとみんなで盛り上げていきたい」と話し、より多くの人たちと情報を共有するため、プログラムで発表された資料や参加者のブログをイベントの公式サイトで公開していることを紹介した。

 海外の展示会でもAlexa関連の出展は力が入っており、大手企業も数多く参入している。VUIビジネスをテーマにしたセミナーや勉強会も増えているが、アマゾンではなく開発者が中心になってダイレクトに情報交換できるコミュニティイベントは、これから重要な場になっていくかもしれない。

最終更新:4/17(水) 10:35
CNET Japan

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