ここから本文です

”9割が中絶を選択” 出生前診断を受け、「命の選択」を迫られた夫婦の苦悩

4/18(木) 9:00配信

AbemaTIMES

■産婦人科医「ダウン症のことを知ってから決断を」

 こうした悩みを抱える夫婦のサポートを行ってきた林伸彦医師は、「9割と聞くと、直感的に高いと思われると思うが、妊婦さんの総意というわけではないと思う。新型出生前検査を受ける方が増えているとはいえ、年間1万人くらいなので、全体から見ると1%以下だ。多くの方は今も出生前検査を受けないという決断をしている。また、日本には母体保護法という、どんな赤ちゃんでも産みましょうという法律があるので、僕たち医療者から出生前検査を受けないかと勧めることも基本的にはない」と話す。

 その上で、「夫婦で意見が違うというケースは多い。ただ、私は、産む・産まないという二択ではないという話をするようにしているダウン症以外にも、生まれてすぐに亡くなるようなご病気の場合には産まない選択をすることもあれば、産んでお看取りをする方もいらっしゃる。あるいは産んでから養子に出すという方もいらっしゃる。ダウン症であればダウン症の方と触れ合うことで色々な未来が見えるようになるので、家族会に繋いでリアルな生活を見てもらうようにもしている。そうすると、産まないという考えを変える方もいらっしゃるし、逆に障害のリアルを知って、“やっぱり私たちには無理だ“と考えるようになる方もいる。そもそも医療にかかるお金は基本的には無料ないしは自治体から助成があるので、それほど負担はないと思う。ただ、直接の医療費ではないところでお金がかかってくることもあるので、勇気が持てないというのはあると思うし、やはり本人が成人した後のことを考えると、不安になるとも思う」とした。

 そこで林氏のNPO法人では、「胎児ホットライン」の設立を目指しているという。電話・LINEの相談窓口や情報冊子を、夫向けには妊婦の支え方、祖父母向けには知識、中絶する人向けには次の妊娠に向けて情報を提供。また、仲間と繋がるためのプラットフォームを作り、関係団体(ダウン症協会や自助会など)への仲介、同じ境遇の人との会話(オンライン掲示板)も設置するという。

 「今の日本では妊娠するまでダウン症などの病気と触れ合うことのない方が多い。辛いなと思うのは、産まない選択をした後でダウン症の方を見て“こんなにかわいいんだ。私はなんてことをしてしまったんだ“と思う方がいること。そういう後悔をしてほしくない。色々な方と会って、リアルを知って、納得した上で決めてほしいと思っている」。

3/4ページ

最終更新:4/18(木) 9:00
AbemaTIMES

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事