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磁気からICへ…平成の鉄道きっぷはITとともに進化 その変遷を振り返る

4/18(木) 6:06配信

乗りものニュース

ITが変えた鉄道のきっぷ

 1989(平成元)年と2019(平成31)年の鉄道の利用スタイルを比べたとき、特に大きく変わった点がふたつあります。ひとつは乗り換え検索アプリなどに代表されるように、最適なルート、時間、料金をすぐに調べて移動できるようになったということ。昔は、事前に所要時間や運賃を調べるには時刻表を開くしかありませんでした。

【写真】「パスネット」などの懐かし磁気プリペイドカード

 そしてもうひとつが、いちいち目的地までの運賃を確認してきっぷを買うのではなく、事前にチャージしたICカード乗車券で乗車、下車、乗り越し精算まで済ませることができるようになったことです。首都圏では1990年代に入ってようやく自動改札機の設置が進み、購入・乗車・精算を機械で完結できる磁気乗車券(裏が茶や黒色のきっぷ)、「イオカード」や「パスネット」など直接投入型の磁気カード、そしてICカード式乗車券と、瞬く間にサービスが向上していきました。どちらも、その背後にあったのは情報技術の急激な発展です。ITが変えた平成の鉄道史を振り返ります。

 きっぷ(乗車券)に記録された情報を自動改札機で読み取るシステムは、1960年代から研究開発が進み、大阪では試験的な導入も行われました。1970年代には磁気データで情報を記録する方式が一般化し、自動改札機の処理能力も大幅に向上したことで、札幌、横浜、大阪の地下鉄新線や、阪神、南海など関西私鉄で本格的な導入が始まります。銀行のキャッシュカードやクレジットカードなど、磁気ストライプ式のカードが世間に普及し始めたのもこのころでした。

 ところが、首都圏の鉄道網は相互直通運転など路線ネットワークが複雑で、当時の磁気券では情報を記録しきれなかったこと、自動改札機の処理速度が遅く、膨大な利用者をさばききれないことから、長らく有人改札が主流のままでした。ようやく1990(平成2)年にJR東日本と営団地下鉄(現・東京メトロ)が相次いで自動改札機の本格導入を発表すると、首都圏でも自動改札化が急速に進みます。背景には1980年代後半に記録容量を増やした磁気券の開発と、国鉄民営化による改札の合理化(省力化)がありました。

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最終更新:4/18(木) 15:21
乗りものニュース

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