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JA役職員 全国2万人が消防団員 地域に精通 貴重な担い手 住民からの信頼厚く

4/18(木) 7:03配信

日本農業新聞

 全国的に消防団員の確保が課題となる中で、JA職員が団員の担い手として活躍する。総務省によると、消防団に加入するJA役職員は2万人超で、消防団の活性化に大きく貢献。農道も水源も地域もよく知るJA職員が消防団に加入し、いざというとき、すぐに出動するため、地域住民や農家から感謝の声が上がる。

震災時に大活躍 熊本うき

 熊本県のJA熊本うき共済部LA課の山本徹さん(46)は、宇城市消防団三角方面隊の副隊長を務める。「地域に生きている中で、消防団員になるのは当たり前なんだ」と、消防車を前に熱く語る。消防団としての活動は、「地域貢献というより地域に根差すJAとして当然」という思いだ。

 18歳の時から消防団員の山本さん。行方不明者の捜索や消火活動、地震や台風といった災害など、消防署から連絡があれば昼夜問わず出動してきた。3年前の熊本地震では、おばあさんを避難させた他、支援物資の供給や見回りなど発生直後は毎晩深夜まで消防団員として活動。翌朝からはJA職員として働いた。

 消防団として地域を回ることから、JA職員としてもコミュニケーションが取りやすく、仕事にも生かされている。災害時に保険に入っておらず困っていた人と知り合い、JA共済を勧めたこともある。「生命・財産を守るLAの仕事と消防団は共通点が多い。JAは消防団の活動にとても理解があり、意義を分かっているので活動しやすい」と山本さんは考える。

 JA西営農センターのかんきつ担当、今村雅史さん(31)も消防団員だ。「仕事柄、水源の場所も、農地や山道も全部把握しているから、真っ先に現場に駆け付けることができる」と今村さん。いつでも出動できるよう、消防団の法被を常備する。

 JAでは職員のおよそ4分の1が消防団に加入する。堀幹男組合長は「業務時間でも、地域が困っていたら出動するのは地域を守るJAとしても大切なこと。JAは地域と共にある」と言い切る。こうしたトップの理解が、JA職員の使命感につながり、JAの仕事にも消防活動にも相乗効果をもたらしている。

 市の消防団員は合併時の2005年、1850人いたが、現在は1600人にまで落ち込んだ。同市は「団員の担い手確保が難しい中で、消防団を積極的に担ってくれる農家や地域に詳しいJA職員は欠かせない存在。地域のつながりにも精通している」(防災消防課)と感謝する。

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最終更新:4/18(木) 7:03
日本農業新聞

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