ここから本文です

のら猫カンボジアをゆく~従軍記者カメラマンの足跡をたどって~(中)

4/19(金) 17:42配信

47NEWS

そんな場所で日の出を待っているだけで、過去に遡って厳かな儀式に参加するような気分だった。

 

 日の出は(正確な時刻は忘れてしまったが)6時過ぎ。

 しらじらと夜が明け、うっすらと光が差してくる。

 その光の方向へ向かって、皆一様にシャッターを切ったり抱き合ったり、しみじみしたり。

 彼らの姿は、もはや国も文化も超越したホモ・サピエンスそのものだった。 

 「2001年宇宙の旅」で描かれた、人類の夜明けのような………。

 それは、とっても不思議な光景だった。

 

 それにしても丸い太陽はどこだ。

 まだ姿を現さない太陽の姿を拝もうと、私はぞろぞろと本殿の中へ入ってゆく人たちについて行った。

  

 さて、早速本殿に潜入。

 あちこちにあるレリーフや光と影の回廊を見てまわり、見つめたり惚れ惚れしたり。

 

 いろんなひとびとと混じりながら目指すは第3回廊。

 ここからは入場制限があった。

 一回で入れるのは100人くらいのようだ。朝早くても20分くらいは並んだだろうか。

 

 列に並んでいる間、ガイドブックをペラペラめくっていたのだが、そこには驚くべきことが書かれていた、

 なんと、年に2回、春分と秋分の日に、アンコールワットの真ん中の塔の後ろから真上に太陽が昇るというではないか!

 

 それは春分の日から3日間だけだそうで、なんと私が訪れたのは春の中日にあたる3月22日だった。これにはびっくり仰天。知らずにアンコールへ来たなんて奇跡的すぎる!

 

 いささか鼻息荒く興奮気味に、第3回廊の中心にある塔に登る。

 マヤのピラミッドもかなり急勾配だったが、ここの塔もかなりの急勾配で、その高さ12メートル。

 足は浮腫みでパンパンだったが、もうそれどころではない。

 這いつくばって無我夢中で登ると、絶景が待っていた。

 かつて王しか眺めることのできなかった場所からの眺め。

3/6ページ

最終更新:4/19(金) 18:02
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事