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「お客さんの笑顔のために」…なんて正直気持ち悪い。――『肉山』オーナー・光山英明の仕事論(3)

4/19(金) 17:01配信

リクナビNEXTジャーナル

『肉山』など自身が経営する店に加えて、60店舗もの飲食店をプロデュースしそのすべてを繁盛させている光山さんに、これまでの半生と仕事論を聞く連載。今回は、『肉山』の開店秘話、そして予約1年待ちの超人気店に育て上げた秘訣について語っていただいた。
プロフィール
光山英明(みつやま・ひであき)
1970年、大阪市生まれ。個人商店代表取締役社長。小学4年生から硬式野球を始め、上宮高校野球部では主将を務め、甲子園に出場。ベスト8に。卒業後も中央大学野球部に入部、吉祥寺周辺で寮生活。卒業後は大阪に戻り、卸酒屋に就職。9年半勤務後、上京し、2002年11月にホルモンと焼酎の店『わ』を開店。2012年11月には『肉山』を開店。予約1年待ちの人気店に育て上げる。飲食店を開業したり知り合いの相談にも乗り、これまで60店舗以上をプロデュース、そのすべてが繁盛店となっている。

予約1年待ちの『肉山』は遊びで始めた?

──『わ』の次に光山さんが開店した直営の店が『肉山』ですよね。『肉山』オープンの経緯は?
ほとんど遊びで始めたんですよ。『わ』も10年目には、スタッフも全部任せられるくらいに成長したので、僕は週1か2回くらいしか店に入らなかったんです。当時41、2歳だったんですが、何か得るもんでもあるかなと1年間、いろんな店で飲み歩いたり遊んだりしてました。でも特に得られるものもなく、こないして毎日遊んでたらお金だけ減るし、そんなにべらぼうに使えるお金もない。まだリタイアして遊ぶ歳でもないからもう1軒くらい自分が現場に入る店を作ろうと思ったのが最初のきっかけです。そうすれば店が僕を縛ってくれるから余計な金も使わなくて済むしね。
そう思ってたある日、『わ』の近くのビルの2階の小物屋さんが入ってた物件が空いたんですよ。今の『肉山』に来てくれるお客さんからは「隠れ家みたいでええ感じですね」って言われるけど、普通はこんなとこ誰も来ないですよ。『わ』と同じく吉祥寺駅からだいぶ離れてるし。でも家賃が安かったから取りあえず借りたんです。
▲『肉山』が入っているビルの表札。『わ』時代からの常連、人気漫画家・西原理恵子さんのイラストが。光山さん自身も西原さんの漫画に度々登場している
──確かに立地的にいいとは言えないですよね。どんな店を作ろうと考えたのですか?
コンセプトとしては、まず1番は僕が現場に入る。2つ目は店側が肉を焼いて提供する。3つ目は月曜から木曜までの4日間しか営業しない。4つ目はお客さんは6人しか入れない。これが最初の基本コンセプトでした。
──今と全然違いますね。なぜ営業日は月曜から木曜で、お客さんは6人しか入れなかったんですか?
金土日は『わ』や「たるたるホルモン」が満席で入れなかったお客さんのために、元々『わ』のバイトで、今「白金のたつこ」という店の店長をしてるたっちゃんがホルモン屋をやってたからです。だから最初の頃は、『肉山』のテーブル席はダクトがついてたんです。
あと、お客さんが6人くらいやったら僕1人で対応できますから。月から木は僕が1人で肉焼いて、カウンターの6人のお客さん、『わ』の常連さんや、ホルモンに飽きたり引っ越ししてどっか遠く行った『わ』を卒業したお客さんに「また光山が現場戻ってきたよ、遊びにきてね」くらいの感じで始めようと。僕が現場に出てたら誰か1人でも来るやろ。その人と喋りながら1日過ごしたら、暇でも飲みに行くことを考えたら黒字やなと。だから遊びで始めたというのはそういうことで、最初から儲ける気はなかったわけです。
──なるほど。提供する肉はどのようにして決めたのですか?
実は牛の肉って決めてなくて、最初は魚でも鰻でも貝でも何でもよかったんです。どんな肉がいいか、『わ』で6人くらい常連さんを集めて魚介類や牛や豚のいろんな肉を焼いて食べもらう試食会をやったんです。その時、ある人がごっついマグロカツや平貝を食べて「うわ、お肉みたい」って言うたら「はい、これも肉!」いうて認定してたんですよ。当然牛肉も使おうということで、赤身肉を仕入れました。なぜかというと、店側で焼いて提供するなら、リブロースを1枚さらっと焼いて出しても焼肉屋と変わらないじゃないですか。だから塊で焼こうと。この赤身肉が一番評判よかったんですよ。「しつこくなくてさっぱりしててええですね」って。それで牛の赤身肉メインになったわけです。元々そんな真剣に考えてないんで。最初から適当なんですよ(笑)。
牛肉の場合は特定の部位の塊を一個だけ仕入れるってなかなかできないので、外モモ仕入れたら内モモもひっついてくる、ランプはイチボとセット、みたいになるので、ほな全部使い切ろう、それらの端っこ肉はカレーにしよう、みたいな感じでメニューを決めていきました。

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最終更新:4/22(月) 13:16
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