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善意つけ込まれた少女「殺される」 今も傷、恐怖 強制性交致傷7年求刑

4/19(金) 13:59配信

福井新聞ONLINE

 2018年秋、福井県内の神社境内で10代の少女に乱暴しようとして右手などに約3カ月のけがを負わせたとして、強制性交致傷の罪に問われた京都府八幡市、無職永野泰斗被告(22)の裁判員裁判の論告求刑公判が4月18日、福井地裁(渡邉史朗裁判長)であった。検察側は「カッターナイフを突きつけ、生命の危険を感じさせる強い脅迫まで加えており犯行は極めて悪質」とし懲役7年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めた。

 公判では、強制性交致傷の被害に遭った10代少女が、弁護士代読で意見陳述した。「恐怖で一人で歩くこともできなくなった」「犯人を一生許すことはできません」と悲痛な胸の内を明かした。

 少女は、駅で神社までの道案内を頼んできた被告を「ほっておけない」と思い約1キロ付き添った。しかし境内で背後から襲われ「首を絞められたり上に乗られたりしたこともはっきりと覚えています」と当時の状況を説明した。

 「殺される」―。少女は隙をみて、何度も転びながら全力で逃げた。以来「人の気配に恐怖を感じ、外を歩くときは後ろが気になり何度も振り返ってしまう」。

 右手は利き手で、字はうまく書けず、箸もうまく使えないという。「援助交際をしていてその相手から襲われた」などと根も葉もないうわさも立った。「被害に遭って十分苦しいのに二重の意味で苦しい」「どうしてこんな目に遭わなければならなかったのか、毎日毎日考えています」と心中を明かした。

 「娘の心の傷は一生消えることはありません」。続いて意見陳述に立った母親は終始涙を流し、娘の優しさにつけ込んだ被告に憤った。病院で面会した娘の右手は血まみれ、足は転んで傷だらけだった。泣きながら抱きしめたことを鮮明に覚えている。傷痕は目立ち「接客業の夢は諦めざるを得ないでしょう」。苦しむ娘の姿に、家族もまた苦しんでいると言葉を詰まらせた。

 スーツ姿の永野被告は、終始うつむいて聞いていた。

最終更新:4/19(金) 14:01
福井新聞ONLINE

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