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脳損傷患者に希望の光?サンバイオ森敬太社長が語る「SB623」の期待と課題

4/19(金) 15:10配信

AbemaTIMES

 「脳を再生することは不可能だと言われてきたが、その常識を覆すデータが出た。今は残念ながら薬も治療法も全くない外傷性脳損傷の患者さんはとって非常に光になっていると思う」(森敬太社長)。

 日本のバイオベンチャー「サンバイオ」がアメリカで開かれている世界最大規模の脳神経外科の学会で発表した「SB623」。人間の骨髄由来の幹細胞を培養して作られたもので、脳の損傷部分に作用、機能の再生を促すとされている。サンバイオによると、事故などの後遺症よって言葉がうまく出ない、手足が動かないなど、身体の機能が失われた60人の臨床試験を実施したところ、約4割の患者に大幅な改善が見られたというのだ。

 現状ではあくまでも開発段階だが、厚生労働省が「有効性が見込める革新的な医薬品」として優先的に審査する予定となっており、認可が出れば来年にも世界に先駆けて日本で発売される可能性があるという。治験に参加したデビット・オコンコ医師も「我々が慢性的な障害によって苦しんでいる人を助けるために脳神経を再生させる治療を実現できればこれは世界を変えることになる」と期待を寄せている。

 17日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した森社長は「車椅子の方が立ち上がったという事例を見聞きすると、やりがいを感じる。手や腕、肩が動かせるようになったり、喋れなかった方がもう喋れるようになったりという効果が出てきていて、すでに多くの患者さんから問い合わせを頂いている。先生方とも色々と話しているが、ものすごい熱を感じている。外傷性脳損傷の他に、脳梗塞、脳出血、加齢黄斑変性、脊髄損傷など色々な病気に対してやっていきたいと思っている」と話す。

 元厚労官僚の宮田俊男医師は「脳損傷の患者さんは、これまで治療法がなかったので、かなりの割合で有効性が推定されているようなデータが出つつあるというのは非常に画期的だと思う。まずは外傷性脳損傷から始めて結果を残し、それから様々な因子が影響する脳梗塞など、次にいくというのが順当な開発のスケジュールだと思う。アルツハイマー病や認知症が非常に大きな問題になっているが、神経の病気という点では基本的には共通しているので、そこまでできれば我々医師にとってもうれしい」との考えを示した。

 また、医薬品の早期実用化を促進するのを目的に2017年に導入された「条件付き早期承認制度」について宮田氏は「例えば肺がんや大腸がん、高血圧のような抗がん剤の臨床試験の場合、大規模なプラセボ(偽薬)試験をやるが、再生医療の分野では、疾患が重く、プラセボもしにくい分野だ。特に日本は再生医療の研究が非常に進んでいるということもあり、国が通常の医薬品とは異なる特別な制度を作って後押しをする必要があるということで、世界で初めて法律で規定した。ただ、安全面、倫理面の問題もあるので、条件をかなり厳しくつけている。例えばデータをきちんと取り、規制当局が再評価すること、説明と同意をしっかり行うことが定められていて、重い副作用が出た場合には救済する仕組みもある。つまり、売り出した後の方が通常の薬よりも厳しい」と説明した。

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最終更新:4/19(金) 15:10
AbemaTIMES

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