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ロックの進化に貢献したムーディー・ブルースの絶頂期の作品のひとつ『童夢』

4/19(金) 18:02配信

OKMusic

革新的なアルバム『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』

67年にリリースされた2ndアルバム『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』は、当時在籍していたデッカレコードの企画をグループ側が受け入れたかたちになったものの、彼らならではの創意工夫で新しいロックの表現がなされ、以降のブリティッシュロック界、特にプログレッシブロックの誕生に大きな貢献をしたと言えるだろう。このアルバムで彼らが取り組んだのは、オーケストラとロックコンボの融合である。今でこそクラシックとロックの融合は珍しくないが、企画モノとはいえロック界では初めてのことであっただけに驚きをもって迎えられた。ディープ・パープルの『ディープ・パープル・アンド・ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ』(‘69)は、明らかにこのアルバムにインスパイアされて制作されているし、キング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』(’69)については、ムーディーズが設立するレーベルからリリースすることになっていただけに、やはり影響を受けていることは確かである。この『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』はプログレッシブロックの誕生というロックの新たな可能性を提示したロック史に残る重要作なのである。また、このアルバムはクラシックとの融合だけでなく、コンセプトアルバムとして制作されたことも重要な側面である。

コンセプトアルバム

インターネットや携帯電話が普及する前、ロックやポップスを楽しむということは、ヒットしたシングル曲を聴くことの他に、アルバム1枚(だいたい10~12曲程度収められている)をじっくり聴くという行為が存在した。特に音楽ファンと呼ばれる人はアルバムを聴くことが主であった。このことはLPの頃だけでなく、CDになってもそう変わらなかったことである。しかし、気に入ったものを1曲ずつダウンロードして携帯で音楽を楽しむことが普通の今、アルバムを聴くという行為は若者にとっては理解しにくいのかもしれない。

アルバムに収録されるのはだいたい10~12曲だから、シングルヒットが見込まれるアーティストの場合には2、3曲のヒット性がある曲(ラジオで紹介しえもらうため、3分から長くても4分程度にしておく)をアルバム内に適度に分散させておく。シングルヒットを考慮しなくてもいいアーティストの場合は一曲一曲が長くても支障はなく、アドリブ演奏が多いアーティストの場合には、LP片面で1曲のみという場合もある。いずれにしても多くのアルバムにおいて曲と曲の間に関連はなく、それぞれ独立した内容を持っていた。

ところが、この『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』は収められた7曲が全て“ある人の1日”をテーマにした内容が歌われており、ひとつのコンセプトをもとに収録曲は書かれているのである。この作品はクラシックとロックを融合させることと、それに加えて全体のテーマに沿って曲同士が相互に関係し合うという、ふたつの重要な要素を持っていたのである。当時、ロック界では非常に珍しい手法でこのアルバムは制作されており、それは画期的なことであった。

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最終更新:4/19(金) 18:02
OKMusic

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