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ドローンの未来VR体験も、投信販売に腐心-貯蓄から移行進まず

4/19(金) 7:59配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): テレビに向けてリモコンを操作すると、注文した品物をドローンが届けてくれる。投資信託運用のアセットマネジメントOne(AMOne)は、そんな近未来を仮想現実(VR)で見られる装置約3000個を投信の販売員に配った。

ネット販売やオンライン決済、物流などインターネットを介する商取引をテーマにした投資信託商品について販売員に現実味を持って体感してもらい、販売促進ツールとしても利用してもらうためだ。

工夫を凝らす背景には、投資信託になじみのない世代を中心に1人でも多くの顧客が興味を持ち、投資を経験してほしいとの危機感がある。日銀の資金循環統計によると、家計金融資産約1830兆円のうち約54%を現預金が占め、投資信託の保有はわずか3.7%。2001年に小泉純一郎内閣が「貯蓄から投資へ」を政府方針としてから、間もなく20年となるが投資への移行はほとんど進んでいない。

AMOne営業企画部の泉谷正彰・資産形成ビジネス推進室長はその理由について、「投資は怖い、損をするとのイメージが強い」と指摘。1980年代後半からのいわゆるバブル期には普通預金の金利が2%を超えており、貯金をするのが最も安全との意識が強かった。「投資で成功体験を積む」機会がなかったことが超低金利下でも貯金を続けてしまう背景だと分析する。

金融庁が今年1月に公表した調査によると、金融事業者96社合算ベースで5割弱の顧客の運用損益率がマイナスとなっている。銀行や証券会社が販売した投資信託の平均保有期間は短期化し保有顧客数が伸びていない。

一方、保険金を一括で払い込むことで運用手段の一つとして利用される一時払い保険の販売は四半期ごとに大きく伸びており、顧客意思より収益目標を意識して特定の顧客に繰り返し乗り換えを進めている可能性があると金融庁は指摘している。

AMOneは、VRなど販促ツールで投資家の裾野を広げると同時に、投資をした顧客にファンドの現状と見通しを小まめに伝える「フォロー資料」の配布に力を入れ、市場環境が悪いときこそ保有を続けて長期投資につなげてもらう試みをしている。

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最終更新:4/19(金) 7:59
Bloomberg

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