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ヨシタケシンスケはなぜ「笑顔」を描かないのか?

4/20(土) 7:32配信

BuzzFeed Japan

絵本作家のヨシタケシンスケが、初めてのエッセイ集『思わず考えちゃう』(新潮社)を出した。日ごろスケジュール帳に描きためたスケッチから生まれた一冊だ。

【画像】100万部超え人気作家の脳内ダダ漏れ画像集

「安易な笑顔は描きたくない」
「何より自分を救いたい一心で物をつくっている」

ユーモアあふれる作風で子どもばかりでなく親世代の共感も集め、累計100万部を超える人気作家は、なぜ「笑顔」を描かないのか。
【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】

笑顔の絵は半分を傷つける

――ヨシタケさんは絵本のなかであまり笑顔を描きませんね。どうしてですか。

笑顔って人を傷つけることがあって。

笑顔の子どものかわいい絵を見た時に、子育てをすごく楽しんでいる人が見たら「私と一緒だ」と思えるでしょう。

でも、いろんな事情で子育てがつらい人がその絵を見たら傷つくんですよ。「絵のなかの親子はこんなに楽しそうにしているのに、なんで私は楽しくできないんだろう」って。

逆に子育てでボロボロになっている絵であれば、うまくいっている家庭の人は「大変な人もいるのね。ウチはうまくいっていてよかった」となるし。ボロボロの人は「ああ、そうだよね」と共感できる。どっちも楽しめるんです。

だけど笑顔の絵は、半分を傷つけてしまう。自分が親として子育てをした時に、親なんて笑わないんですよ。よっぽどのことでもない限り。

笑顔のインフレは嫌

――笑顔を描かないことが表現上の制約にはなりませんか。

僕の絵本はとにかく笑顔が少ないんですけど、笑顔を描かないと幸せが描けないかっていうと、そんなこともないわけで。

「笑顔じゃないけど楽しそうだな」って絵は描けるはずだし、「つまらなそうな顔してるけど、本当はお前楽しいだろう」と見える絵だって描けるはず。

安易な笑顔はなるべく描きたくない。笑顔の安売りで笑顔のインフレが起こるのは嫌なんです。

自分の絵本のなかで笑顔を出すのであれば、「それは楽しいでしょう」と読む側が納得できる理由をしっかりつくりたいですね。

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最終更新:4/20(土) 12:59
BuzzFeed Japan

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