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世界から見た「日本の空港」の可能性と未来とは? 成田空港に暗雲の予測、転換期に明暗を分けるポイントを航空専門家に聞いてきた

4/20(土) 11:07配信

トラベルボイス

世界の航空データを取り扱うOAG社は、日本の空港における需要予測で冷徹な数値をはじき出した。このほど、OAG社のアソシエイト・コンサルタント、ジョン・グラント氏が来日。「長らく成熟期にあった日本の空港を取り巻く環境が、大きく変わり始めた。これから面白い展開が増えていく」と語る。

太平洋アジア観光協会(PATA)や国際空港協会(ACI)の会議に登壇し、英国では、BBCの航空・空港担当コメンテーターとしても活躍するグラント氏に、世界から見た日本の空港の可能性と未来予測を聞いた。

空港の未来で明暗を分けるのは何か? 同氏は、「データとインテリジェンス。そこから導き出される戦略だ」と力をこめる。世界の中でも、最も成長著しいアジア新興国マーケットに囲まれている日本は、「非常に明るい未来に恵まれている。ただし、変動期のダイナミクスと無縁ではいられないことを覚悟するべきだ」とグラント氏は指摘する。空港運営についても同じだ。

「国民の10%がパスポートを持っている中国はもちろん、インドネシア、フィリピンなど、旅行需要の成長著しい周辺国からそれほど遠くない旅行デスティネーションとして、日本には無限大の可能性がある」(グラント氏)。だがコスト効率に厳しいLCCの台頭や、民営化され、サービス拡充に力を入れる空港間の競争もますます激しさを増していく。

日本では、空港といえば、公共施設としての側面が重視されてきた。乗り入れる航空会社も、かつては国営企業が珍しくなかった。しかし航空会社の現状は、「利幅(マージン)5%ほどと収益率は決して高くない。空港選びで採算を度外視するわけにはいかない。そこで世界の空港は、より多くの路線誘致につながるよう、効率よいサービスやプロダクト開発にしのぎを削っている。こうした動きにあまりにも疎い人が多いことが、今の日本のリスクだ」と警鐘を鳴らす。

羽田と日本には明るい未来、成田には暗雲

2020年までにインバウンド4000万人達成の目標を掲げる日本政府は、目下、羽田空港と成田空港、両方の運用拡大により、首都圏発着枠の大幅増に向けて動きだしているが、実際の需要はどう動くのか。

OAGでは、世界各地を運航する航空データをもとに、様々な分析を行っているが、同社がこのほどまとめた成田空港と羽田空港の需要予測には、冷徹な数字が並ぶ。

OAG予測データによると、羽田空港では、2020年からのスロット大幅拡大に伴い、供給座席数(国内・国際線合計)は前年比1119万席ほど増加し、翌2021年以降も順調に増え続ける。ところが逆に、成田空港の供給座席数は2019年の2623万3780席がピークで、2020年は前年比765万席のマイナスに転じる。理由は、成田から羽田への路線シフトが始まること、成田には、これを埋めるほどの新規需要が見込めないことだ。

勝ち組は、羽田空港そして訪日需要全体。成田空港は、少なくとも短期的には厳しい状況に陥る。

グラント氏は「世界各国の航空各社と話せば、誰もが日本路線に関しては、成田より羽田空港を利用したいと言う。これから成田に乗り入れたいという航空会社が果たしてあるのか疑問だ。例外は貨物ぐらいだろう」。

最大の理由は周知の通りロケーションだ。成田空港から都心へのアクセスが遠すぎるという問題は、抜本的な改善がないまま現在に至る。「羽田空港の方が都心に近いため、航空運賃が高く設定できる。航空会社が一番、欲しい旅客セグメントは法人客だが、法人需要は圧倒的に羽田支持だ」(グラント氏)。

こうした事情から、羽田空港のスロットが拡大すれば、今までは成田に乗り入れていた航空各社も、一斉に羽田空港への路線統合へと動き出すというのが同氏の見方だ。これは米系キャリアに限った話ではなく、例えばエールフランスはすでに今夏からの羽田/パリ増便を申請している。これが世界の本音だ。

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最終更新:4/20(土) 11:07
トラベルボイス

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