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世界から見た「日本の空港」の可能性と未来とは? 成田空港に暗雲の予測、転換期に明暗を分けるポイントを航空専門家に聞いてきた

4/20(土) 11:07配信

トラベルボイス

中国の地方都市からの直行便がもたらすインパクト

過去20年ほどの間に、航空機材の改良がめざましく進んだことも影響している。かつては運航距離が長いため、成田経由が多かった北米/アジア路線がノンストップ運航へと切り替わっていった。さらに札幌や福岡など、インバウンド需要が拡大する地域のゲートウェイ空港では、組織の民営化が動き出し、独自の路線誘致策が活発化していることも、成田の一極集中が崩れていった要因としてグラント氏は挙げる。

例えばフィンエアーは、2019年冬からヘルシンキ/新千歳に直行便を開設する予定だ。冬季に北海道路線を就航する狙いは、ニセコへのスキー需要。オーストラリアに続き、欧州からのスキー需要が果たして定着するのか、様々な意味から注目を集めている動きだ。

首都のハブ空港を経由しない、地方空港から地方空港への路線による旅客誘致の成功事例もある。「タイのプーケットは、中国の地方空港からの直行便を増やすことで、旅客需要を爆発的に増やした。オーバーツーリズムという副作用は問題だが、適切なマネジメントにより、双方地域に恩恵ある形での成長を実現することはできる」(同氏)。

同じような展開は、首都圏から離れた日本のリゾートエリアでも今後、想定できると話す。例えば、沖縄は英語が通じるうえ通年で温暖な気候があり、富裕層向け宿泊施設も充実していることから「海外からの直行便需要が十分にある」と注目している。

では、成田空港はどうなるのか。グラント氏は、成田と羽田の関係に似た事例の一つとして、ロンドンのヒースロー空港とガトウィック空港を挙げる。ロンドン中心部から離れたガトウィック空港が盛況な理由の一つは、国内線への乗り継ぎが便利なこと。だが、これも成田空港の場合、弱点の一つだ。

もう一つのカギは、LCC路線の充実だ。グラント氏は、最も可能性がある成田空港の将来像として、レジャー需要中心のLCC路線の誘致と、インターネットで予約できる便利な乗り継ぎサービスや、宿泊を伴うプロダクト開発に活路があると話す。ピンチはチャンス。新しい形の移動手段や、トランジットの楽しみ方が生まれていくことを期待したい。

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最終更新:4/20(土) 11:07
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