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世界最強のエディター、23億人がフェイスブックで見るものを操る男

4/20(土) 12:03配信

The Telegraph

【記者:Laurence Dodds】
 34歳にして、ジョン・ヘゲマン氏は文句なしに世界で最も影響力のあるエディターだ。米フェイスブックのニュースフィード統括責任者であり、彼がまとめるチームや下す決断は、23億人が何を読むかに影響する。ヘゲマン氏が構築するアルゴリズムは、ユーザーがどの写真を見るか、どんな社会問題を目にするか、どのニュース記事を読むかを決定する。

「いや、自分たちをエディターだとは思っていない」とヘゲマン氏は英紙サンデー・テレグラフに話す。「こちらがユーザーに見てもらいたいコンテンツを見せるようなことはしないようにしている。私たちは、ユーザーが何に価値を見出すかを理解し、ユーザーがそれにつながるよう手助けしている」

「(人が何を見るかは)その人が取った行動が元になっている。いいねを付ける、友達になる、といったことだ」。言い換えれば、ユーザーが何を見るかはフェイスブックが決めているわけではない。ユーザーが決め、その決定をフェイスブックがサポートするのだ。

 世界最大のソーシャル・ネットワークのパラドックスはそこにある。フェイスブックは自らを、ユーザーの欲求を収める純粋で透明な入れ物だと考えている。しかしそのために3万7000人以上を雇用し、高給を払い、ユーザーの行動や気分に影響するようなやり方で仕様を常に変更し続けている。

「私が2007年にフェイスブックで働き始めた頃、フェイスブックがどれほど大きくなるかなんて想像した人はいなかったと思う」とヘゲマン氏は話す。同氏は当時、米スタンフォード大学で経済の博士課程を取っていた。

 1995年、計算機科学者のニコラス・ネグロポンテ氏は、人はいつか、読者の好みに応じてカスタマイズされたバーチャルな新聞でニュースを読むようになる、と予測していた。フェイスブックのニュースフィードはこの原理の延長にある。

 ヘゲマン氏の仕事の多くは、ニュースフィードの調整だ。フェイスブックを、怒りをぶちまける場所、または心のジャンクフードのような人気動画を見るための場所にしないようにするにはどうしたらいいのか? フェイクニュースや陰謀説の拡散を止めるにはどうしたらいいのか?

 ニュースフィードは、ユーザーが記事をクリックし、瞬時に閉じればそれを認識する。メディアが「人を欺くような見出し」の「質の悪い記事」ではなく「良いコンテンツを書いている」か、ニュースフィードは確認する必要があるのだとヘゲマン氏は話す。

 とはいえ、何が「良い」かをフェイスブックはどう決めるのだろうか? 決めているのだから、どうにかして判断しなくてはならない。「我々の責任は、当社の視点を反映させるだけでなく、社会の当社への期待を反映した規則や価値観を作る努力をすることだ」

 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、インターネットの使い方が情報の共有から、私的なメッセージのやり取りへと移行していると発言している。そしてフェイスブックはそれに追随したいとも。ヘゲマン氏はしかしこう話す。「何かをシェアする際に、(やはり)ニュースフィードが一番最適というものはたくさんある。これは今後もずっと続いていくはずだ」

 その場合、投稿を目立たせたり埋もれさせたりするフェイスブックの大層な「責任」もずっと続いていくことになる。おそらくフェイスブックはいつか、透明な入れ物であるだけでなく哲学もあるのだと認める時が来るだろう。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。 「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:4/20(土) 12:03
The Telegraph

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