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食物アレルギー疑いの子どもに43%症状出ず 川崎医科大教授ら試験データ分析

4/20(土) 9:40配信

山陽新聞デジタル

 鶏卵や牛乳、小麦など特定の食物に対するアレルギーが疑われる子どもらに、実際にその食物を口にして症状が出るかを確認する試験で、実施した計約300件の4割余りは症状が現れなかった―との報告を川崎医科大(岡山県倉敷市松島)の尾内一信教授=小児科=らがまとめた。アレルギー治療を目的に、本来避けなくてもよい食物まで除去することで栄養不足や成長障害を招く恐れが指摘される中、そうした事態を防ぐための正確な診断の必要性を改めて示す形となった。

 食物アレルギーは特定の食物に反応して起き、乳幼児で特に多いとされる。尾内教授らは、同大付属病院(同)で2013年1月~今年3月に幼児や小学生ら182人に行った延べ313件の「食物経口負荷試験」と呼ばれる試験データを分析。試験は過去に体調不良を起こしたり、目安となる血液検査を基に医師から避けるよう指導されたりした食物を少しずつ口にし、通常1食に含まれる量まで増やす方式で実施した。

 134件(43%)はアレルギー症状が現れず、79件(25%)でじんましん、紅斑など軽い症状があった。一方、呼吸困難など重い急性症状「アナフィラキシーショック」12件(4%)を含め100件(32%)に強い全身症状が見られた。

 「思った以上に症状が現れない割合が高かった。正確な診断に基づき、不必要に食物を除去することのない適切な栄養指導が不可欠」と尾内教授。日本アレルギー学会(東京)によると、食物経口負荷試験の集計・分析は、全国規模では過去にないとみられる。施設単位の取り組みは把握していないという。

 尾内教授らは、アレルギー症状を起こす食物を少しずつ摂取して治療する「経口免疫療法」を子どもらに行った結果も集計。13年1月~18年9月の125件では、鶏卵アレルギーの82%、牛乳の59%など多くのケースで口にできるようになった。効果を確認する一方、医師の監督外で同療法を始めることのないよう呼び掛けている。

最終更新:4/20(土) 9:40
山陽新聞デジタル

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