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50代野球指導者、新天地で挑む 県内高校野球で監督就任

4/20(土) 5:00配信

北日本新聞

 県内の高校野球で、今季から50代の監督2人が特別な思いで新天地で指揮を執る。1人は亡き友人が残したチームを受け継ぎ、1人は母校で独自の指導法を用いて生徒を教える。情熱的なベテラン指揮官の戦いが20日、春季県大会の開幕とともに始まる。 

■亡き友のチーム継ぐ/高朋の中島さん
 国体準優勝監督の経歴を持つ中島千尋さん(56)が今月、高朋高野球部監督に就任した。同部は、富山第一高時代の同級生、森崎直樹さんが2017年8月に急逝するまで監督を務めたチーム。長年の手腕を生かし、亡き友の教え子らを育て上げるつもりだ。

 中島さんは金沢星稜大を経て社会人軟式の強豪・武内プレス工業(富山市)でプレー。監督となった後、2000年とやま国体と02年高知国体で準優勝した。

 昨年までコーチを務めた長野県の東京都市大塩尻高校では、森崎さんが率いる高朋高と3年ほど前に練習試合をした。「同じ指導者として、通常の友人以上のつながりがあった」と中島さん。高朋高は17年夏に初の県大会準優勝。それだけに、その1カ月後の訃報は衝撃が大きかった。

 約1年後の昨夏、高朋高から監督の打診を受けた。今年1月から練習に加わり、「選手は一生懸命だが普段の行動や考え方に甘い面がある」と、プレーの外でも厳しい声を飛ばす。磯谷輝(ひかる)主将(3年)は「私生活から指導してくれるところが森崎先生と似ている」と話す。

 中島さんは「まずは選手が当たり前のことを当たり前にできるチームをつくる」と言う。21日の初戦に向け、指導はさらに熱を帯びている。(社会部・石黒航大) 

■母校監督に就任/八尾の水上さん
 長く高朋高野球部監督を務めた水上久山(きゅうざん)さん(53)が今春、新規採用教員として母校の八尾高に着任した。この5年は臨時的任用講師として中学校に勤務。生徒との向き合い方を見つめ直し、トレーニング方法や脳科学などを幅広く学んだ。野球への情熱はそのままに新たな指導法へとたどり着いた「オールドルーキー」が新風を吹き込む。

 水上さんは八尾高で投手としてプレー。日体大を卒業し、1990~2013年に高朋高で教員として勤務。生徒を思うあまり「怒鳴ってばかりだった」と振り返る。

 退任後は富山市内の4中学校で保健体育を教え、学級担任も務めた。高校とは違う授業の進め方を経験し、生徒の気付きを促す声掛けの大切さを実感。積極的に新しい分野の知識を取り入れた。5年間の経験が生き、教員採用試験に合格した。「50歳を超えても思いがあれば実現できる。同世代へのエールになったらうれしい」と笑顔を見せる。

 着任から3週間。部員たちに成し遂げたいこと、そのために「できることは何か」と問い続けている。宮島涼輔主将(3年)は「みんなの意識が変わった」と話す。「決めたことを徹底してやってほしい」と水上さん。目標の実現にとことん付き合う覚悟だ。(八尾・婦中支局長 谷井康彦)

北日本新聞社

最終更新:4/20(土) 10:09
北日本新聞

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