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偉大な作曲家は「白人男性」、若者のクラシック離れの一因に

4/21(日) 10:02配信

The Telegraph

【記者:Jamie Johnson】
 クラシック音楽の著名な作曲家が「白人男性」ばかりであることが、若者のクラシック離れの一因となっている――英ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールの幹部はこう主張している。

 誰もがモーツァルト、ベートーベン、バッハを知っているが、女性作曲家や民族的少数派出身の作曲家はこれらの男性作曲家に比べはるかに知名度が低いことが、ロイヤル・アルバート・ホールの最新の調査で明らかになった。

 さらに、同ホールの芸術・商業部門責任者ルーシー・ノーブル氏によると、英国の音楽教育水準が低いため、若者がクラシック音楽に触れる機会も少なくなっているという。

 ノーブル氏は、クラシック音楽界において男女平等を実現するには、芸術教育関連の諸問題の解決にも取り組まなければならないと主張する。

 今回ロイヤル・アルバート・ホールは、成人1000人を対象に調査を行った。この結果、英国人の間で知名度が高かったクラシック音楽作曲家上位10人はすべて男性だった。モーツァルトとベートーベンの知名度がともに70%と1位で、バッハが60%でこれに続いた。

 一方、女性のクラシック作曲家の知名度は著しく低く、ファニー・メンデルスゾーン、クララ・シューマン、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの知名度はそれぞれ30%、17%、7%にとどまった。

 ロイヤル・アルバート・ホールはファニー・メンデルスゾーンの知名度の低さについて、その作品のほとんどが、ファニーより有名な弟フェリックス・メンデルスゾーンの名前で発表されているためだと説明している。

 ノーブル氏は「歴史は私たちに、モーツァルトやバッハ、シューベルトといった偉大なクラシック作曲家を多数残した」「だが、若者がこのような白人男性の作曲家だけではなく女性作曲家の作品にも触れられるようにしなければならない。また、少数派に属する作曲家についても認められるようにしなければならない」と語った。

 さらにノーブル氏は、英国人が女性よりも男性の作曲家を知っている傾向が強いことは教育の欠如も一因だと指摘する。

「そもそも若者が音楽に夢中になることがなく、必要な音楽教育を受けられないのなら、男女平等よりもその問題が優先されなければならない」「つまり、知識があり、金銭的余裕があり、子どもに音楽教育を受けさせることができる家庭と(そうでない家庭)の間に格差が生まれているということが、今起こっている問題だ」

「学校が本当に重要な音楽教育を提供していないという状況で、ノウハウがなく、個人レッスン代を払う余裕がない人々が希望を持つことができるだろうか。これらの人々には機会も与えられていない」

 ノーブル氏は、誰もが音楽に触れられるよう学校が支援を「強化する」必要があると指摘するが、ロイヤル・アルバート・ホールのような組織もまた、担うべき役割があると話す。

 同ホールは学校、若者、共同体、ミュージック・フォー・ユースなどの慈善団体と協力し、教育・普及プログラムを実施しており、昨年は21万5000人以上が参加した。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:4/21(日) 10:02
The Telegraph

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