ここから本文です

「今はテレビだけが恋人」 ノムさんが語った「サッチー」のいない日々

4/21(日) 8:10配信

DANRO

プロ野球の名選手・名監督として活躍し、その話しぶりから「ボヤキのノムさん」として知られる野村克也さん(83歳)。昨年末に出版された著書『野村メモ』(日本実業出版社)が多くの人に読まれています。プロ野球史上に輝く数々の実績を残しましたが、その裏には気づいたことを小まめに記す「野村メモ」の存在があったといいます。

一方、プライベートでは2017年末に最愛の妻・サッチー(野村沙知代さん)が85歳で亡くなり、野村さんは現在、広い自宅でひとりで暮らしています。野村さんの活躍を支えたメモの取り方のほか、孤独との向き合い方やサッチーへの思いなど、ざっくばらんに語ってもらいました。(西谷格)

【画像】野村克也さんの著書「野村メモ」

素の状態でボヤき続けるノムさん

インタビューが行われたのは東京のあるレストランの個室。テーブルの上に置かれた自著を見るなりボソッと「売れないような本が置いてあるじゃないか・・・」といきなりのボヤキ。見た目はすっかりおじいちゃんになりましたが、顔色も良く、まだまだ元気そうに見えました。

――選手時代に「メモ」を取るようになったきっかけは、何だったんですか?

野村:おれは頭が悪いからね。メモしないと忘れちゃうんだよ。B4サイズの大学ノートに、コーチや監督から言われたことを一つひとつ箇条書きでメモしていた。メモを取るには、難しく考えずに箇条書きで書くのが一番いいんですよ。

――メモを取ることで、より深く理解できると著書にありました。

野村:メモを取っている間、自分でもう一度考えるじゃないですか。どういう意味だろうと。おれはメモ魔って言われたぐらいだから、メモが好きなんだよね。それはなぜかというと、自分は頭が悪いっていう自覚から来ているんですよ。まあ、後悔ばっかりしています。もっと勉強すりゃよかったと。

ノムさんを助けたサッチーの口癖

――サッチーこと沙知代さんを一昨年に亡くしましたが、ひとりになって感じるのはどんなことですか?

野村:今はひとりぼっちですよ。”女房ってなんだろう”ってことを、考えさせられます。いるときは何も感じないのに、いなくなると、初めてわかることが多いじゃない。

――いなくなって分かったことというのは?

野村:世の中に出て働いていると不平不満もあってね。同業者には言えないけど、女房には言えることがたくさんあったんです。そういう話し相手がいないことが、一番寂しいね。家でぼやいていると、聞いてくれるのは女房だけですから。

みんな受けてくれたからね。まさに女房ですよ。何でも受け止めてくれる。人には絶対に言えないことでも、女房には言えた。それはすごく感じています。

今は男の弱さを痛感してますよ。男って弱いね、強そうに見せていても、やっぱ奥さんがいないとダメよ。

――何でも言える関係だったというのは、素敵なことですよね。

野村:「なんとかなるわよ」っていうのが、女房の口癖だったんです。(監督をしていた)南海ホークスをクビになったときには「関西なんか大嫌い、東京に出よう、東京」と言われて、一緒に東京に出たんだけど、あのまま関西に残っていたら今の自分はなかった。災い転じて福と為すとでもいうのか、そういう感じですね。

1/3ページ

最終更新:4/21(日) 8:10
DANRO

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事