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まさに「招き猫」 集客回復 岡山・高梁の備中松山城・さんじゅーろー

4/21(日) 9:04配信

山陽新聞デジタル

 昨年7月の西日本豪雨以降、備中松山城(岡山県高梁市内山下)にすみ着き、人気を集める猫城主・さんじゅーろー。天空の山城の“招き猫”として新たなファンを呼び込み、会員制交流サイト(SNS)を通じて海外からも注目を集める。豪雨の影響で激減した入城客の回復に貢献しており、城主にふさわしい活躍を見せている。

 「きゃあ、かわいい」。歓声とシャッター音が本丸に響く。毎日午前10時と午後2時に行われる猫城主の「城内見回り」。尻尾をぴんと伸ばして観光客の足元にゆっくり近づき、おなかを見せて甘えだした。

 猫好きという会社員女性(30)はテレビ番組でさんじゅーろーを知り、徳島市から初めて城に駆け付けた。「人懐こく、堂々として城主の貫禄もある」とカメラを向けた。

 「役割が分かっているかのよう。初対面の人も全く怖がらず、こんな猫も珍しい」。世話をする高梁市観光協会の本原亮一さん(66)は目を細める。

■「最多」超え


 協会によると、備中松山城の入城客は2016年度の10万6166人が最多。この年はNHK大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像に城が使われ、岡山県内でも大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」が展開された。

 17年度は8万6625人にとどまり、巻き返しを図る18年度に西日本豪雨が起きた。高梁市でも住宅や道路、河川などの被害が生じた影響で、7月の入城客は前年同月比76%減の1181人に落ち込んだ。

 窮地を救ったのがさんじゅーろーだった。SNSで評判が徐々に広がり、報道で紹介された10月は同4%増の7336人まで回復。猫城主として正式デビューした12~3月は2万789人に上り、16年度の同期間(1万9886人)を超えた。

 協会の南賀隆事務局次長(39)は「今まで少なかった20、30代の若者も呼び込んでくれた」と感謝する。

■城下波及へ


 協会は12月以降、SNSを活用して観光情報などを随時発信。「…にゃん」とさんじゅーろーが語り掛ける文体は人気を集め、フォロワー(閲覧登録者)はフェイスブックで5千人、短文投稿サイト・ツイッターで1400人、写真共有アプリ・インスタグラムで3千人を超えた。

 「更新がない日は心配する声が寄せられるほど。海外のフォロワーも増えている」と協会のSNS担当・大樫文子係長(36)。キーホルダーや無料通信アプリ「LINE(ライン)」用スタンプなど公式グッズも作り、あの手この手で集客に努める。

 “さんじゅーろー効果”を城下に波及させようと、19年度は町歩きイベントなども計画中。南事務局次長は「一過性に終わらせず、関係団体と連携しながら観光による高梁の復興につなげたい」と話している。

 ◇

 猫城主・さんじゅーろー 2018年7月下旬から備中松山城にすみ着く推定3歳の雄猫。約6キロ離れた高梁市津川町八川地区で飼われていたが、7月14日に家を出て城にたどり着いた。11月には自宅に連れ帰った協会職員宅から行方不明になり、19日ぶりに発見される騒動を起こした。12月に猫城主に就任し、本丸の管理事務所で過ごしている。名前は新選組で七番組組長を務めた備中松山藩出身の谷三十郎にちなんでいる。

最終更新:4/21(日) 9:04
山陽新聞デジタル

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