ここから本文です

家庭訪問”岐路”に 授業増で時間確保や教師の働き方改革で 「やめる」「希望制」も

4/21(日) 8:00配信

丹波新聞

 小中学校の教師が児童生徒の家に出向いて懇談する「家庭訪問」を見直す動きが広がりつつある。兵庫県丹波市、篠山市の全小、中学校計48校に取材した結果、丹波市内の2校が今年度から「やめる」と回答。また、一斉訪問をやめ、家庭からの「希望制」に切り替える、あるいは切り替えた学校は両市であった。背景にあるのは来年度の学習指導要領改訂に伴って増えた授業時間数を確保することや、教職員の「働き方改革」の一環があるよう。ほかにも次年度以降、実施を検討する学校もある一方、「今後も必要」とする学校もある。長年、”当たり前”のように続いてきた家庭訪問が岐路に立っている。

主婦ら対象に「好きな日と時間に働いて」 遅刻、早退、欠勤にペナルティなし

 丹波市内の22小学校と7中学校のうち、一斉家庭訪問を「やめる」のは、1小学校と1中学校。ほかに全学年で「希望制」にしたのは2小学校。1年生は実施、そのほかの学年で希望制にしたのは1小学校、2中学校。1中学校は1年のみ実施し、2、3年は行わないことにした。見直しを行った学校の中には、家庭訪問の代わりに、早い時期に希望懇談日を設けた学校もある。

 昨年度まではほとんどの学校が、持ち上がりで同じ教師が担任を務める場合を除き、全校児童・生徒を対象に家庭訪問を行っていた。

 一方、篠山市の14小学校、5中学校はすべて家庭訪問を実施する。ただ、「今後の検討課題」とした学校もあった。

 家庭訪問は、実施するかしないかも含め、各校の裁量。見直した学校では、学習指導要領改訂に伴って増えている授業時間数の確保や業務の見直しを主な目的にした。

 今年はゴールデンウィークの10連休があり、授業時間が少ないことも一因になっている。

見直す校長「必要性が減った」

 そもそも家庭訪問は、▽担任と保護者の顔合わせ▽自宅の場所の確認▽通学路の確認▽家庭の状況を把握する―などを目的に実施されてきた。

 そんな中、家庭訪問を見直した丹波市の校長は、「時代が変わり、家庭訪問に求められるものが減ってきた」と話す。

 「今はインターネットの地図で自宅がわかるようになった。また、緊急時には保護者の携帯電話に連絡して迎えに来てもらうのが一般的」

 また、家庭訪問を行うには、事前に保護者との時間調整が必要で、場合によっては教師が下見をすることも。人数が多いクラスを受け持つと、1日で10数軒を回ることになり、”分刻み”のスケジュールに追われながらこなすことになる。

 また、労力がかかる一方、各家庭では短い滞在時間でじっくり話を聞くことができないなどの課題があるという。

 さらに、「わずかな時間のために、保護者に仕事を休んでもらうことになり、負担をかける」と保護者への配慮も理由に挙げた学校もあった。

 別の校長からは「教員の業務を見直して、子どもたちと向き合う時間を確保するのが第一の狙い」「あったものをやめるとなると、さまざまな摩擦も予想される。悩みながらの選択だった」などの声もあった。

1/2ページ

最終更新:4/21(日) 8:18
丹波新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事