ここから本文です

ヴィッセル神戸の黒星再出発に見えた監督退任の影響とさらなる混乱の予兆

4/21(日) 5:01配信

THE PAGE

 わずか7ヵ月間の指導とはいえ、積み上げてきたもの、目指してきたものがある。吉田監督は「いままでやっていた攻撃のベースは何も変えていない」と浦和戦後に振り返ったが、イニエスタが不在だった点を差し引いても、中途半端なサッカーに終始した感は否めない。

 リージョ前監督の就任に伴って退任し、強化部入りした吉田監督は火中の栗を拾う形で再登板した。神戸で現役を終えた42歳のレジェンドの決意には敬意を表するが、クラブがステップアップを図るために交代させられた経緯を踏まえれば、疑問符がつく監督人事と言わざる
をえない。

 リージョ前監督の最後の3試合は9失点と守備が崩壊した。吉田監督も目標のひとつに「失点を減らす」と掲げていたなかで、前半37分にFW武藤雄樹が放った強烈なシュートを横っ飛びで防いだ、韓国代表GKキム・スンギュの存在はあらためてクローズアップされた。

 キム・スンギュは5試合ぶりの出場だった。ベンチ入りおよび試合出場が最大5人にあらためられた今シーズンの外国籍選手枠のなかで、開幕後の3月にバルセロナから加入したMFセルジ・サンペールに弾き出される形で、無条件で前川黛也にポジションを譲っていた。

 ホームに王者・川崎フロンターレを迎える28日の次節でイニエスタが復帰すれば、再び外国籍選手枠問題が頭をもたげる。浦和戦を見ればキム・スンギュ、ダンクレー、ウェリントンは外せない。そこへイニエスタが加わるとして、残る一人は誰になるのか。

 三木谷オーナーの肝いりで加入したサンペールか。あるいは、「バルセロナ化」を目指す前から在籍するポドルスキか。監督交代を機に後者は昨シーズンから務めるキャプテンを返上し、浦和戦では日本代表MF山口蛍が務めた。ポドルスキは試合後にこんな言葉を残している。
「3、4週間前からチームの不安定な雰囲気を感じていた。チームのなかでの立場を感じて、考えた末にキャプテンマークを返すことを決めた」
 3、4週間前とサンペールが追加登録された時期はほぼ重複する。「バルセロナ化」という目標がより鮮明になるなかで、ポドルスキが疎外感を募らせていたともうかがわせる。勝てば雰囲気も一変したはずの浦和戦。見えたのはブーストの可能性ではなく、さらなる混乱への予兆だった。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

2/2ページ

最終更新:4/21(日) 6:47
THE PAGE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事