ここから本文です

観光客熱狂の新名物が続々 温泉地が大変貌

4/21(日) 18:01配信

テレ東プラス

町長はビジネスマン~草津はこうして復活した

大小100軒以上の宿が立ち並ぶ草津町。町役場の壁には歴代町長の写真が並ぶが、歴代町長全員が旅館関係者だった。黒岩は、初めての旅館業以外からの町長だった。

1947年、草津町に生まれた黒岩は、中学を卒業後、技術を身につけ電気工の職人になる。資金を貯め、10代で灯油などの燃料販売を始めると、これが当たった。1983年、町議に推されて当選。政治家と経営者、二足のワラジを履き、結果を出していく。54歳のときには、東京・原宿に投資目的でビルを購入。不動産事業も軌道にのせた。

2010年、そんな黒岩に転機が訪れる。観光客の激減が危機的状況になる中、町長に推す声が沸き起こったのだ。黒岩は出馬を決意し、町長となる。そこで掲げた公約が、湯畑周辺への集中投資だった。

ところが、湯畑周辺の店主からは「駐車場がなくなったら不便」と、湯畑から離れた旅館からは「湯畑にばかり金を使うなんて不公平だ」と反対の声が上がった。

「一生懸命やっても理解されないんだと、孤独でした」(黒岩)

しかし、そんな猛反発の中、黒岩は湯畑の再生を断行する。その裏にはビジネスマンとして成功してきた黒岩のある体験があった。それは、大勢の人が集まる場所だからと、原宿・竹下通りに買った投資用ビルでの成功だった。

「人の集まるところはビジネスになる。そこに投資するのが効率がいいと、竹下通りで学びました。その発想が、湯畑再生の原点にあるんです」(黒岩)

最も人が集まる場所に投資することこそが、最も大きなリターンを生む。そんなビジネスでの確信が、草津再生を成功へ導いたのだ。

黒岩は、60億円近くあった町の借金を劇的に減らし、今や財政再建まで実現した。

いま注目の温泉はここだ~美肌の湯&シニア殺到

今、全国の温泉地で、草津に続けと逆襲ののろしが上がっている。

島根県松江市の玉造温泉。ここもかつては寂しい温泉地だった。いま、そこに大挙して押し寄せるのは女性たち。驚くほど肌に潤いとハリを与えるという美肌成分を求めてやって来るのだ。

源泉が湧き出る場所には人だかりが。沸きたての美肌源泉が誰でも無料でくみ放題なのだ。その場で「美肌専用ボトル」(200円)に入れれば、化粧水のミストとして使える。

地元の人がこの美肌泉質の泉質に目を付けたのは、つい10年ほど前。奈良時代に書かれた「出雲国風土記」の中に、偶然、玉造温泉の「今の言葉でいえば、まさしく美肌」(松江観光協会・周藤実さん)の効果についての記述を発見した。

実際に温泉を分析すると、肌に水分を浸透させる働きがある硫酸イオンが多く含まれることが判明した。これを機に、玉造は町復活ののろしを上げる。

玉造温泉美肌研究所「姫ラボ」が目玉商品として開発したのが、温泉水を配合した洗顔用「姫ラボ石鹸」(1500円)。驚くような泡立ちで年間4万個を売り上げる。極上の美肌温泉をたっぷりしみこませ、顔に効能を行き届かせる「美肌温泉フェイスパックタオル」(500円)も大ヒット商品となった。

玉造は、温泉のウリを徹底的にアピールすることで、観光客が年間20万人も急増した。
一方、1300年の歴史を持つ佐賀県嬉野市の嬉野温泉。押し寄せていたのはシニア客だ。1年間で1.7倍に増えたという。激変の理由は旅館だ。

「千湯樓」は、スロープのある廊下、そして部屋まで、館内は一切段差がないバリアフリーになっている。ベッドも電動リクライニング。そして客の最大の楽しみ、部屋付きの温泉には、入浴用電動リフトが備えられている。

嬉野では13軒の旅館が、温泉に行きたくても行けなかった高齢者向けに宿を改築した。「和楽園」も部屋全体をバリアフリーに改装、客を増やしている。女将の下田美穂子さんは「『もっと早くこの旅館に出会いたかった』というお声もありました」と言う。

町には、温泉客をサポートする専用組織「バリアフリーツアーセンター」もある。電話1本で様々な補助器具が無料で借りられ、要請すれば、入浴介助のヘルパーまで派遣してもらえるという。

今や嬉野はシニアに人気の温泉地ランキング1位(「楽天トラベル」調べ)。他にない戦略で名湯が復活を遂げようとしている。

3/6ページ

最終更新:4/21(日) 18:01
テレ東プラス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事